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ニッポンとドイツ 「食事のマナー」Part3

ニッポンとドイツ 「食事のマナー」Part3

ニッポンの会社のランチタイムでは「そのお弁当おいしそう~!」と同僚のお弁当を覗きこむ、といった光景がよく見られます。(もっともコロナ禍のせいで、そういうコミュニケーションもなくなりつつあるのが悲しいところですが・・・)

お昼時にレストランでランチをする際にも、特に女子同士だと、「わ、何々ちゃんが頼んだランチおいしそう~」などと盛り上がります。

私はレストランでのこういうやりとりはほのぼのとしていて好きなのですが、先日同じハーフ仲間である大庭パスカルさん(日本×ベルギーのハーフ)と「ニッポンと外国の文化の違い」についてお話していた時に「ヨーロッパだと、人が食べているものについてコメントするのはマナー違反だ」という話になりました。

これがその動画です。

要は「何食べてるの?」と他人のランチボックスや皿を覗き込んだり、コメントしたりするのは失礼だということなんです。考えてみると、確かにドイツ人は「こちらが食べているもの」について見事に(?)スルーする人が多い印象。たとえば私は健康を考えて「茹でたブロッコリーを大量にタッパ―に入れてお昼時に食べる」ことがあります。でも先日ある現場で私のこの「ブロッコリーのタッパ―」を目にしたドイツ人はそれを目にしてもスルーし“Mahlzeit!“とだけ挨拶して去っていきました。きっと育ちがいいのでしょうね。

逆に私は「誰かがブロッコリーだらけのお弁当」を食べているのを見かけたら、「ヘルシーですね」などとコメントしちゃいそうです(笑)

まあ言い訳ではないですが、ここは日本ですし、臨機応変でいいんじゃないでしょうか、なんて思います。

フランスやベルギー、ドイツでは一般的に「覗き込むのはいやしい」と考えられていますが(←とはいってもここでも状況や人との関係性にもよります)、日本で「食」はコミュニケーションをとる上で大事なファクターです。

文化による「食の違い」といえば、先日面白いツイートがありました。


 

面白いですね~。韓国人は「4人でBBQ」となると、4人全員が「4人分の食材」を持参するので、結局みんなで16人分を食べることになるという話。

ドイツはBBQというと、「自分が食べる分の肉だけを持参して参加」のスタイルが多いので、本当に大違い。

日本や韓国などアジアの文化は、やっぱり「みんなで食べる文化」なんですよね。だから人が食べているものについて話すのは「コミュニケーション」。

それで極論を言うとドイツはBBQで「マイ肉」を持参して「マイ肉のみを自分で食べる」わけですから、そりゃ他人の食べている肉にコメントなどしたら、「いやしい」と思われるのはある意味当たり前なのかもしれません(笑)

まあでも繰り返しになりますが状況にもよりますし臨機応変が一番なんですけどね。

前々回前回に続き、今回もお食事関連のマナーのお話でした。

次回は「食事と似ているようで似ていないテーマ」について書きます。お楽しみに。

サンドラ・ヘフェリン

サンドラ・ヘフェリン

ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴19年、著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ) 、「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ』(原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: ヒラマツオ/KADOKAWA)、「『小顔』ってニホンではホメ言葉なんだ!?~ドイツ人が驚く日本の「日常」~」(原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: 流水りんこ/KKベストセラーズ)」など計11冊。自身が日独ハーフであることから、≪ハーフはナニジン?≫、≪ハーフとバイリンガル教育≫、≪ハーフと日本のいじめ問題≫など「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。ホームページ 「ハーフを考えよう!」 を運営。趣味は時事トピックについてディベートすること、カラオケ、散歩。

サンドラ・ヘフェリン