ドイツ情報満載 - YOUNG GERMANY by ドイツ大使館

ドイツ流の「趣味」(Geschmack)とは・・・?

ドイツ流の「趣味」(Geschmack)とは・・・?

国や文化圏によって「趣味」ってやっぱり違う気がします。あ、ここでいう趣味は余暇活動(Hobby)のことではなく、「好み」「嗜好」(Geschmack)のことですね。

 

たとえば「ドイツ人が好むようなファッション」って確かにあるのです。それはドイツの街を歩いてみれば、すぐに分かります。黒、グレー、ブルーなどの落ち着いた色を基調とした服装の人が多いのですね。女性もパンツスタイルが多く、スカートを履いている人は少ない印象。マニッシュなスタイルの女性が多いです。

 

「レース」や「フリル」といったヒラヒラ系のファッションを身にまとっている女性はドイツであまり見かけません。ピンクなどのパステルカラーもあまり見かけず、女性も黒、グレー、ブルーなどの落ち着いた色を好みます。

 

ただ上に書いたことはあくまでもドイツ人の「傾向」であり、もちろん全員がそうだというわけではありません。

 

„Sie/Er hat einen schlechten Geschmack.”

 

ドイツでちょっと残念だと思うのが、冒頭に書いたような「マニッシュで落ち着いた色のファッション」とは違うファッションをしている人は„Sie/Er hat einen schlechten Geschmack.”(「彼女・彼は趣味が悪い」)と言われる傾向にあるということです。

 

むかしドイツ人の女友達と話していた時、彼女はこう言いました。「どこそこで知り合った●●という女性は、いい人なんだけど、„Sie hat einen schlechten Geschmack.”(彼女は趣味が悪い)」と。そこから、その女性が着ていたピンク色のヒラヒラしている服が「いかに趣味が悪かったか」という話が延々と続きました。

 

「自分のセンス」と「人(他人)のセンス」がかみ合わないなんていうことは、世の中には沢山あるわけですが、ちょっと残念に思うのは、ドイツでは、この「趣味(センス)の違い」が割と「あの人とは交流したくない」といった思考につながりがちだということ。

 

私自身は「服はあくまでも服」と思っている部分があるのですが、ドイツでは服装のセンスが自分と違うと、「あの人は、自分とは(あらゆる面で)全然違う!!」と解釈される傾向が。なんというか、必要以上にネガティブにとらえがちなのですね。「服装の趣味」を基準に全てを決めてしまうというか。私から見ると、「服のGeschmack」に「重点を置き過ぎ」な気がします。

 

で、問題は、服のセンスは国や文化圏によって違うわけですから、「同じ服の趣味の人としか付き合いたくない」という考えになってしまうと、異なる文化圏の人達に対して偏見を持ちやすいこと。これはドイツにいたころに観察してそう感じました。

 

では、私自身は日頃どんな服を着ているのかというと・・・・

 

はい、育った環境の影響というのはやっぱり強いもので・・・私も見事に日々「パンツ姿」で、スカートを履くのは年に数えるぐらい。そして毎日毎日真っ黒のファッションであるため周囲に呆れられています。ですから、たまに原色や明るい色の服を着ていると、「あら、今日は明るいファッション、素敵!」と皆さん、大げさに褒めてくださいます(笑)

 

でもそんな私は実はキティラーだったりします。※「キティラー」とはサンリオのハローキティをこよなく愛する人のことを指します。

 

キティちゃんを好きになったのは、ミュンヘンにいた5歳の頃で、きっかけは日本のおじいちゃんとおばあちゃんが幼稚園用のキティちゃんの赤いカバンを送ってくれたことでした。キティちゃんが大好きだった私は、小学校時代の文房具は全部キティちゃんのものでした。

 

大人になったいま(中年です)もキティちゃんが大好きですが、先日キティちゃんのリュックサック(以下の写真)をもって都内を歩いていたところ、バッタリ知人のドイツ人女性に会ってしまいました。黒地で地味な色とはいえ「キティちゃんだらけ」のリュックを見る彼女の目が冷たかったです。


 

やっぱりドイツの人は平均して「かわいい系のもの」に対して厳しいわあ・・・と改めて思った瞬間でした。

 

そういや、一昨年2022年の北京オリンピックには「ビンドゥンドゥン」なるキャラクターがいましたが、ドイツ人を含むヨーロッパの人は「ふ~ん」という印象だった印象が・・・。やっぱり「キャラクターもの」はアジアの人に好まれる気がします。欧州人は「キャラクターもの」=「子供のもの」というとらえ方ですから。

 

そんな文化の違いを考察しつつ、私はキティちゃんだらけの我が家の引き出しを開けるたびに「日本にいてよかった」と思うのでした。

 

サンドラ・ヘフェリン

サンドラ・ヘフェリン

ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴19年、著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ) 、「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ』(原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: ヒラマツオ/KADOKAWA)、「『小顔』ってニホンではホメ言葉なんだ!?~ドイツ人が驚く日本の「日常」~」(原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: 流水りんこ/KKベストセラーズ)」など計11冊。自身が日独ハーフであることから、≪ハーフはナニジン?≫、≪ハーフとバイリンガル教育≫、≪ハーフと日本のいじめ問題≫など「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。ホームページ 「ハーフを考えよう!」 を運営。趣味は時事トピックについてディベートすること、カラオケ、散歩。

サンドラ・ヘフェリン