シーラッハ著『犯罪』のブレイク以降、「ドイツミステリ」という言葉が日本に浸透しました。ミステリを代表とする知的エンタメ文芸は、社会・時代・人間のあり方を映し出す良い材料です。マライ・メントラインがご案内しながら考えます!
- 2014.05.10ドイツミステリの躍進を決定づけたこの一冊 !!
ネレ・ノイハウスの『白雪姫には死んでもらう』は、昨今のドイツミステリの社会的ブレイクを決定づけたエポックメイキング的傑作です。 ノイハウスの何がどう凄いのか、という基本情報は前作『深い疵』のレビューで…
- 2014.05.10ある程度ネタバレ御免:『コリーニ事件』の威力!
最近この連載はイベントリポートばかりだ!! とお嘆きの貴方に。 朗報です。今回はガチンコの小説レビューです。それも、『犯罪』『罪悪』に続きドイツ読書界にまたしても衝撃を与えたシーラッハの新作、彼の初の…
- 2014.05.10グルーバーがやって来る ヤァ! ヤァ! ヤァ!
オーストリアは誇り高い「世界の中心」ハプスブルク帝国の後裔だ。にもかかわらず、最近はドイツの周辺国家みたいな扱いを受けてしまいがちで残念すぎる。モーツァルトチョコレートやサウンドオブミュージックもいい…
- 2014.05.10ドイツミステリ酒場・怒涛の第2回がやってきた!
昨年、翻訳ミステリ業界を微妙に震撼させた素敵イベント「ドイツミステリ酒場」ですが、予告と予想どおり第2回が行われました。 今回は、「東西南北」ドイツ人それぞれの葛藤と欲求、そして周辺諸国へのまなざしと…
- 2014.05.10「床屋的叡智」の効用について! (後編)
前編あらすじ: シャルロッテ・リンクをレビューした際と同様、ハインツ・G・コンザリクをボコボコにしてしまったのだが、あの時と違って今回はなんと、版元である文春編集部からの打ち返しが! いったいどういう…
- 2014.05.10「床屋的叡智」の効用について! (前編)
以前、シャルロッテ・リンクの作品をベースにしながら旧世代ドイツミステリの効用と限界について述べました。 これでドイツミステリの「過去」を論理的に説明できた、と勝手に満足していたのですが、知人から先日、…
- 2014.05.10シーラッハはデュレンマットの夢を見るか?
2012年は、シーラッハ『犯罪』の本屋大賞受賞を筆頭に、翻訳ドイツミステリをめぐっていろいろな動きがありました。決定的なブレイクと伸張の年だったといって過言ではないでしょう。嬉しい限りです。翻訳者、編…
- 2014.05.09ドイツミステリ「国内実売ナンバーワン」の実体とは?
ネレ・ノイハウスやフォルカー・クッチャーは、近年、進境著しい「新世代」ドイツミステリの旗手であり、ドイツの書店の店頭でも、ミステリ系としては北欧ものと並んでもっとも目立つ場所に置かれていることが多いで…
- 2014.05.09「ドイツミステリ酒場」で異様に盛り上がる!!
2012年10月23日の夜、「ドイツミステリ酒場」なるイベントが、新宿の「Biri-Biri酒場」という、素敵で、なんともプロっぽい場所(何のプロだ?というツッコミはご勘弁!)で行われました。これは要…
- 2014.05.09ベルリン警察ミステリ、驚きのクロスカウンター!
前回の記事で、ついに登場した「本気ドイツ人作家」の戦前ベルリン警察ミステリ、フォルカー・クッチャーのゲレオン・ラート警部シリーズをオススメしました。 あの勢いからすると、「これまでの英米作家によるベル…