シュトゥットガルトの通な楽しみ方【後編】世界遺産建築と美しい図書館、SDGsカフェ
ベンツやポルシェといった車の町でありながら、自然も豊かな都市シュトゥットガルト。王道観光だけでない、知る人ぞ知る楽しみ方をご紹介。後編では世界遺産の近代建築や美しい図書館、おしゃれなエコカフェなどを訪ねます。
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シュトゥットガルトの通な楽しみ方【前編】では、丘陵地にある絶景やワイナリーなどを訪ね、自然を満喫しました。
https://young-germany.jp/2023/10/stuttgart1/
今回はシュトゥットガルトの都会的な魅力に迫ってみたいと思います。
じつはシュトゥットガルトは近代・現代建築の宝庫。建築に興味がある人なら一度は見ておきたい名建築が目白押しです。写真映えスポットとして人気の建物も多いので、建築の知識が無くても楽しめると思いますよ。
それでは、シュトゥットガルトの建築めぐり、いってみましょう~~
ル・コルビュジェの建築作品
まず訪れたのは、丘の上のヴァイセンホーフ・ジードルング。1927年にドイツ工作連盟主催の住宅展のために実験的に建てられたモデル住宅群です。ドイツ工作連盟は、機械生産を肯定し、製品の良質化を目指して1907年に設立された団体。芸術学校バウハウスを設立した建築家ヴァルター・グロピウスも名を連ねています。
ここにある住宅のうち、ル・コルビュジエ設計の2つの住宅は世界遺産「ル・コルビュジエの建築作品―モダニズム建築への顕著な貢献」の一部。東京の国立西洋美術館本館のほか、アルゼンチン、ベルギー、フランス、インド、スイスにある全17件の建築物で構成されています。国境を越えた世界遺産としては初の登録なのだそう。
コルビュジェ設計の2つの住宅のうちのひとつは2世帯住宅として建てられたもの。現在は博物館として公開されていて、住宅展のポスターや模型の展示があるほか、完成当時の住居空間を見学することができます。今でも住みたくなるようなモダンで機能的な住宅ですが、100年近く前に建てられた当時は批判もあったよう。時を同じくして活動していたバウハウスにも通じるところがありますが、新しい実験に果敢に挑む人々のチャレンジ精神あってこその今なのだなあと深く感じ入りました。
シュトゥットガルト市立図書館
次に向かったのは、シュトゥットガルト市立図書館。外観はシンプルなキューブ型の建物なのですが、中へ入るとびっくり仰天!ドイツには歴史ある美しい図書館がいくつもありますが、2011年に建てられたこの図書館は近未来的なデザインが特徴です。映えスポットとしてSNSでも注目を集めているので、写真を見たことがある人もいるかもしれませんね。圧巻なのが中央の吹き抜け部分。まるで巨大な現代アート作品の中に入りこんだかのようです。
ビジュアルがあまりに美しいゆえに写真を撮るために訪れる人も多いのですが、図書館としての機能性も抜群です。吹き抜けを取り囲む外周部には本棚が並べられ、勉強や仕事ができるようなスペースも十分。音楽コーナーやキッズコーナーなどもあり、老若男女が楽しめる工夫がたくさん。昨今は映え重視で本に手が届かない図書館も目にしますが、見た目の美しさだけでなく、使いやすさも考え抜かれたデザインに脱帽しました。
誰もが自由に使えるオープンな場所なので、機会があればぜひ訪れてみてください。屋上からの眺めも良く、観光の合間にちょっと一息つくのもおすすめですよ。
シュトゥットガルトのおすすめグルメ
シュトゥットガルトがあるシュヴァーベン地方はドイツのなかでもグルメな地域。地元のワインと一緒にマウルタッシェンやシュペッツレなどの郷土料理をいただけるワイン酒場やレストランが数多くありますが、ランチなら最近人気のベジタリアンやビーガン専門カフェもおすすめです。
ドイツでは廃棄物ゼロを目指すなどSDGs意識の高い飲食店が増加中。おしゃれでおいしいだけでなく、エコなお店の選択肢が多いのも、ドイツの魅力のひとつだと思います。
自然とグルメ、建築など様々な魅力がつまった街、シュトゥットガルト。
来月には世界最大級のクリスマスマーケットも始まるのでますます楽しみが増えますね!