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子供が集うドルトムントの室内施設「モンキータウン」へ ボールプールにローラー滑り台、空中モノレールも!?

冬場も大助かり! 子供が集うドルトムントの室内施設「モンキータウン」 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

子供が集うドルトムントの室内施設「モンキータウン」へ ボールプールにローラー滑り台、空中モノレールも!?

連載「ハローBaby ~子育てABC」<10>

クリスマスマーケットも始まり、季節はいよいよ冬。赤ちゃん連れ同士が外へ出会えば、合言葉は「さえない天気ですね〜」という毎日です。かといって、起きている時は10秒たりとも止まっていることがない生後11カ月の息子と家でじっとしているのもナンセンス。天気が悪くてもたっぷり遊べるスポットをドルトムント市内に見つけたので、さっそく行ってきました。

|公園遊びは寒くてもう限界…


気温が5℃以上かつ雨予報がなかったある日、ようやく外出できると勇んで公園へ行ってみたところ息子とわたしだけ。どの遊具も貸切で自由に利用できるのは嬉しかったのですが、誰もいない公園で遊ぶのは寂しいものですね。また自然が大好きな息子は、葉っぱや土に触れたくてしょうがありません。冷たく湿った草やチップの上に座って色々な物を手にしつつも、寒そう…。

連載第8回で書いた「ヴィンデルフリッツァー」や「シュピールグルッペ」などの教室遊びへは参加しているものの、これはいよいよ室内の遊び場を探さなくてはいけなそうです。そう思っていたところ、6歳の子供を持つ友人から屋内施設の耳寄り情報をもらいました。その名は、「Monkey Town」(モンキータウン)。もう、名前からして子供たちが駆け回って遊んでいる様子が思い浮かびます。

モンキータウンの外観は、工場や倉庫といった趣きでエントランスも業務員通用口のような地味な雰囲気です。ここで合っているのだろうか…という気持ちで中へ入ると、建物内に響き渡る子供たちのはしゃぐ声に出迎えられました。

モンキータウン外観。「ここで合っているのだろうか」と不安になるようなこぢんまりとしたエントランス Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

モンキータウン外観。「ここで合っているのだろうか」と不安になるようなこぢんまりとしたエントランス Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA



|大空間によりどりみどりの遊び場


5.50ユーロ(約710円)の入場料を支払い中へ進むと、広がる大空間にわたしもワクワク。滑り台のついた巨大なアスレチックスペースをはじめ、ローラー滑り台、ボールプールといった遊びスペースが目に飛び込んできました。赤ちゃん向けの遊び場を受付スタッフに尋ねると、ボールプールまわりがおすすめだということでした。

まぁでも手始めに…と向かったのは、空中散歩ができる遊具! 2人が乗り込めるゴンドラが3個、空中モノレールのようなレールにぶら下がっていたのが気になって仕方なかったのです(わたしが)。駆動はペダルを回す人力。もちろん赤ちゃん用ではありませんが、大人が膝に抱いて乗り込めば頭上からいつもと違った景色を楽しめるというわけです。子供たちにも人気で、乗降場所ではゴンドラを順番に待っては元気に漕ぎ出していました。

空中モノレールの乗降場所ではゴンドラを順番に待つ子供たち Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

空中モノレールの乗降場所ではゴンドラを順番に待つ子供たち Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA





他に印象的だったのは、ずらりと並んだテーブル&椅子。スナックカウンターに比して膨大な数の座席は、モンキータウンが提供するバースデーパーティーサービスの会場としても役割を果たすことでしょう。また館内の隅々にはゲーム台やコイン式の乗り物、ガチャガチャ、ゴーカートなども設置されていました。加えて、回転木馬に並んだ古めかしいマッサージチェアも発見。「Shiatsu」「10分2ユーロ(約260円)」――子供は木馬で、大人はマッサージチェアというわけですね。なるほど(?)。



なお、息子を抱いてローラー滑り台をしてみましたが、ローラーがいい具合にお尻をゴロゴロと刺激し、さながらマッサージ。2回ほど滑り終わると、ぽかぽかお尻でいい気持ちでした(笑)

ローラー滑り台! 加重(息子)でゴロゴロマッサージがより気持ちいい… Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

ローラー滑り台! 加重(息子)でゴロゴロマッサージがより気持ちいい… Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA



|トランポリンだらけの“おっきな子エリア”も


“おっきな子エリア”へ続く本館からの扉 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

“おっきな子エリア”へ続く本館からの扉 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA



来館していた子供たちの年齢は、大人に連れられた小学生が中心。そんな中で10代前半のような男の子たちもちらほらと来館していました。けれど小学生たちがキャーキャーと楽しんでいる同じ場所にはいないようでした。すると、本館から続く扉があるではないですか。

扉の向こうは別料金を支払い入場する、お兄ちゃんたちの世界でした。トランポリンが敷き詰められたスペースに、10〜15人の男の子たちがぴょんぴょん。そこでのBGMはクラブ音楽で、照明はネオン風、さらにバーカウンター風のドリンクコーナーが設けられていました。大人(風)!




さて、わたしたちはほのぼのとしたお子様コーナーへ。息子は、ソフトブロックに手をかけて立ったり座ったり上ったり、ボールプールに沈み込んだりして満足そうでした。そこでなんと、出産準備両親学級で出会った夫婦と再会! わたしたち母は当時はお互いお腹が大きな妊婦だったのが、今回はもちろん赤ちゃん連れ。奇妙な感じです。息子たちが遊んでいる横で、大人たちは誕生時を振り返ったり育児休暇の話をしたりしながら不思議な偶然を楽しんだのでした。




調べてみたところ、同じような施設は市内外周辺にいくつもありました。モンキータウンはその中でも一段と大きな施設のようです。設備は古びていて(よく言えばレトロ…)大人の目には美しくは見えませんが、子供たちはとても楽しそうに遊んでいましたよ。

シュルテ柄沢 亜希

Aki SCHULTE-KARASAWA ● 1982年生まれ、ドイツ・ドルトムント在住。フリージャーナリスト。執筆ジャンルは自転車・アウトドアアクティビティ、スポーツ、旅、食、アート、ライフスタイルなど文化全般。幼少期の5年間をハンブルクで過ごしたことがアイデンティティのベースにある。好きなものは、ビール、チーズ、タマゴ――ワイン、日本酒、ウイスキーも大好き。ランニング、ロードバイクライドにてカロリーを相殺する日々。ブログ「ドイツのにほんじん」に日記をつけ、産経デジタル「Cyclist」、三栄書房「GO OUT」などで執筆中。

シュルテ柄沢 亜希