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スポーツクラブが主催、生後半年〜1歳半対象の「おむつの走り屋」会 冬場も室内空間で自由に遊ぼう

友人に誘われ「ヴィンデルフリッツァー」(Windelflitzer)に体験参加。広々の室内空間で自由に遊ぶことができる Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

スポーツクラブが主催、生後半年〜1歳半対象の「おむつの走り屋」会 冬場も室内空間で自由に遊ぼう

連載「ハローBaby ~子育てABC」<8>

初めての育児をドイツでしていると、日々聞き慣れない単語の連続。「ヴィンデルフリッツァー」(Windelflitzer)――またまた新しい単語を聞いたのは、赤ちゃん仲間(あるいはママ友)と話している時でした。でも、いくら辞書をひいても出てきません。ヴィンデルフリッツァーは生後半年〜1歳半の子向けの教室名で、単語をばらすと「おむつの走り屋」という感じ。いったいどういうこと? 生後8カ月の息子を連れて教室を体験してきました。

|異なる月齢の子や新しい人たちに出会える場


ヴィンデルフリッツァーは、30の異なるスポーツ、100以上のスポーツプログラムを提供するドルトムントのスポーツクラブ「TSC Eintracht Dortmund」が主催する教室で、週4日、7回開催されています。月会費12ユーロ(1,550円)を支払えばいつ、何回参加するのも自由。参加・欠席連絡が不要なので、赤ちゃんの調子や家庭のスケジュールに合わせて参加することができます。



息子はほかにシュピールグルッペ(※)にも参加していますが、こちらは計10回、80ユーロ(約10,300円)と決められていて、例えば旅行や体調不良で欠席しても返金はありません。そしてシュピールグルッペで「いつもの顔ぶれ」に会えるのに対し、ヴィンデルフリッツァーでは異なる月齢の子や新しい人たちに出会えるのが魅力的です。

※Spielgruppe。またの呼び名をクラベル(「はいはい」の意)グルッペ(Krabbelgruppe)。生後4カ月頃からスタートすることができ、息子は生後半年を前に通い始めました。

ヴィンデルフリッツァーの開催場所は、TSC敷地内の小ぶりなジム(体育館)。雨降りだった木曜の午前の回に友人と連れ立って行ってみると、この日はおよそ10組の親子が参加していました。歌を歌ったりちょっとした運動をリードするイヴァナさんをはじめ、スタッフ4人が待機。いつもこの程度のにぎわいなのかイヴァナさんに尋ねると、「きょうは少なめ。(外では寒い)冬場は参加人数がもっと増えますよ」とのことでした。

異なる月齢の子たちに出会えるのでいい刺激になる Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

異なる月齢の子たちに出会えるのでいい刺激になる Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA



|おもちゃ遊びも駆け回るのも自由


ジム内には、備え付けの布ブランコや、スロープ型・階段型ブロックや跳び箱を組み合わせた“お城”、トンネル、ゆらゆらマット、トランポリン、おもちゃだらけのマットなど、遊び場がたくさん! 目移りするも集中するも自由な上に駆け回れるスペースもあって、これは楽しそうです。



1回の教室はおよそ1時間。気に入ったおもちゃや見つめる対象があると一点集中型の息子ですが、階段を上ったり、布ブランコに揺られたり(揺らされたり)と時間内いっぱいそれなりに楽しんでいました。後半に登場した赤ちゃん向け自転車は、まだちょっと早いかな。年上の子たちがわいわいと集まっているのをじーっと見ていました。



後半に登場した赤ちゃん向け自転車。購入前にいろいろ試せて親も嬉しい Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

後半に登場した赤ちゃん向け自転車。購入前にいろいろ試せて親も嬉しい Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA



…と、なるほど確かにこれは、はいはいお遊び教室からスピードアップして、赤ちゃんたちがブイブイ「おむつの走り屋」になる教室ですね。参加してみて意味がわかりました。ナイス造語。

なお、ヴィンデルフリッツァーは2回無料で体験することができます。息子はもとよりわたしも気に入ったので、あと1回行ってみて、本申し込みをしようと思っています。

シュルテ柄沢 亜希

Aki SCHULTE-KARASAWA ● 1982年生まれ、ドイツ・ドルトムント在住。フリージャーナリスト。執筆ジャンルは自転車・アウトドアアクティビティ、スポーツ、旅、食、アート、ライフスタイルなど文化全般。幼少期の5年間をハンブルクで過ごしたことがアイデンティティのベースにある。好きなものは、ビール、チーズ、タマゴ――ワイン、日本酒、ウイスキーも大好き。ランニング、ロードバイクライドにてカロリーを相殺する日々。ブログ「ドイツのにほんじん」に日記をつけ、産経デジタル「Cyclist」、三栄書房「GO OUT」などで執筆中。

シュルテ柄沢 亜希