【今週のドイツ語】in die Pfanne hauen
今日の表現はこちら。
(jemanden) in die Pfanne hauen
イン ディー プファネ ハウエン
in die Pfanne で「フライパンに」、hauen は「打つ、殴る、打ち付ける、打ち込む」という意味の動詞、(jemanden) は「誰かを」なので人の名前や人称代名詞が入ります。直訳すると、(誰かを)フライパンの中に叩きつけるように入れる、砕けた言い方になりますがイメージとしては「(誰かを)フライパンにぶち込む」という感じでしょうか。
ドイツ語では、料理に限った話ではなく、例えば宿題や仕事、あるいは準備、支度など、「何か」を終える、片付ける、というときに簡単に (etwas=何かを)fertig machen と言うことができます。しかし「何か(etwas)」ではなく、「誰かを (jemanden)」 fertig machen というと、「誰かを打ちのめす、ボコボコにする」という意味になります。
料理では、フライパンに入れる前に大抵の材料を切り刻んで、フライパンに入れたら最後は"fertig machen" 仕上げます。一節によると、そこから転じて jemanden in die Pfanne hauen (誰かをフライパンにぶち込む)とは、誰かをferetig machen するのと同じように「誰かを打ち負かす、誰かを厳しく批判する、誰かをこてんぱんにやっつける、誰かにとどめを刺す」という意味の言い回しとして使われるようになりました。
実際昔から、食事やその準備・調理過程は様々な慣用表現に使用されており、(例えば das Salz in der Suppe, den Braten richen などなど・・・) 材料を切り刻むことは、破壊的なエネルギーの比喩表現としてしばしば使われ、今日紹介した表現もすでに17世紀後半には使われていた記録が残っています。
【今週のドイツ語】
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