海外就職に必須の就労ビザ!取得のしやすさはドイツが欧州でダントツ!!
皆さん、こんにちは!
ドイツ・ワークスタイル研究室の高橋です。
「年間30日の有給休暇、消化率ほぼ100%!」「風邪で休んでも有給休暇は減りません!」と、
「ドイツ・休み方スタイル研究室」の様相を呈していましたが、
そろそろ「そんな風に休暇を取れる職場で働いてみたいなぁ」「いつかはドイツで働きたい」と考える皆さんに、日本人がドイツで働くことのリアルについても共有していきたいと思います。
ドイツでの一般的な労働環境やワーク&ライフスタイルをイメージしていると、半分正解で、でもそれが全てではないんですよね。
日本人がドイツで働くということ
日本人が日本で働くことと、ドイツで働くことの間にある一番大きな違いは何だと思いますか?
それは、自国民として働くか、外国人として働くか、ということです。
マジョリティーからマイノリティーに、
マスからニッチに、
自分の立ち位置やマーケット規模が変わってきます。
そして何より、「許可」を得ないと、その国に滞在もできなければ、就労もできない立場になるのです。
「外国人なんだから当たり前じゃん」と思うかもしれませんが、日本で生まれ育って、成人してから移住する身としては、これが想像以上に大きな心理的負担になり得ます。
生活においても、仕事においても。
私自身も無期限の滞在許可(Niederlassungserlaubnis)を取得するまでは、滞在許可(Aufenthaltstitel)の更新に外国人局へ出向くたびドキドキしていました。
それでも、日系企業で、日本語のフリーペーパーの編集者というポジションは、日本語が母国語レベルであることが必須条件!というタイプの職種だったので、緊張感はあれども心配はほぼ無用でした。
基本的に、労働許可が下りるかどうかはまず「ドイツ人の職を奪っていないか」という観点で審査されます。そのため、母国語レベルの日本語が必須か、日本人を採用することに業務上メリットがあるポジションかが問題となるのです。
もっとドイツにいたかったのに、労働許可をもらえなかったがために泣く泣く日本へ帰国した友人たちもいました。
地域や職種によって、または外国人局の担当者の判断ひとつで、自分の夢や目標を叶える道が閉ざされてしまう……そういう茨の道が待っているかもしれないのです。
自国における水際対策を思い浮かべると、経済、治安、安全保障上の観点から、入国・滞在許可の審査は必要だと理解できるのですが、いざ自分が審査される側になると、改めて外国人というのは不安定な立場だなと実感します。
ドイツは就労ビザを取得しやすい国のひとつ
とは言え、ドイツもここ数年で状況がさらに変化してきました。専門技能を持ったエキスパートのドイツへの移住と就職を国策として歓迎しています。
2020年3月に「専門人材移民法(Fachkräfteeinwanderungsgesetz)」が施行され、
これまで制限されていたEU(欧州連合)域外の出身者の受け入れが促進されるようになったのです。
ドイツも少子高齢化やデジタル化を推し進める中で、労働力不足、専門人材不足が課題です。そして、医療や介護、ITを活用する領域など様々な分野で、世界規模の人材獲得競争が起きていることを意識して改革の一歩を踏み出しました。
法律の名称に「専門人材」とあるように、誰でもOKという訳ではありません。
【主な対象者】
・大学修了資格
・職業訓練修了者
・IT分野の専門人材
・専門人材となりうる者の求職のための入国(25歳以下、B2以上のドイツ語レベルなど、様々な要件あり)
この法律は、まさにコロナ禍に施行に至ったわけですが、それでも2020年末までに約3万人にビザが発給されたそうです。
隣国を見ると、英国やフランスなど移民に対して厳しい政策を取る国が増えてきている中、ビザ(労働許可)の取得のしやすさという点で、ドイツは移住へのハードルが「かなり」低い国だと言えます。
労働許可つきの滞在許可を取得するのにかかる費用は、およそ100ユーロ(約1万3000円)。ロンドン在住の友人に、「桁がひとつ違う」と驚かれたことが印象に残っています。
日本人は、ドイツに入国した後に滞在許可の申請をでき、従来のようにワーキングホリデー・ビザや学生ビザから労働ビザへの切り替えも可能です。
日系企業の進出数はドイツ国内に1800社以上と、ヨーロッパの中では群を抜いており、現地採用のポジションを狙って就職活動をすることもできます。
ヨーロッパを見回してみても、こんなに外国人(日本人)にチャンスの多い国はなかなかありません!
じゃぁ早速、ドイツで就職活動だ!と、その前に、
求人情報はどこで見つける?
英語? ドイツ語?語学力はどのくらい必要?
ドイツでの給与の相場は?
労働契約書って、どこを見たらいいの?
など、日本での就活との違い、注意点などについても考えてみましょう。
次回のテーマは、「ドイツで就職活動!」