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年間30日の有給休暇、消化率ほぼ100%!ドイツの働き方を知るにはまず休み方から

年間30日の有給休暇、消化率ほぼ100%!ドイツの働き方を知るにはまず休み方から

「夏のバカンスは海辺で3週間くらいゆっくりするつもり」

「子どもの誕生日だから……」

「オクトーバーフェストだから……」

「そろそろ休息が必要だから……」

何があろうと、なかろうと(!)休暇を取り、堂々と休む。

 

そんな会社員、見たことがありませんでした。

そんな働き方、夢みたいだと思っていました。

 

ーードイツに来るまでは。

 

ドイツ・ワークスタイル研究室へようこそ

こんにちは!二児の母でフリーライターの高橋萌です。

人生を豊かにするワークスタイルを追い求め、ドイツにやってきて早15年目。

海外生活の理想と現実の間で試行錯誤しながら、子どもたちにどんな親の背中を見せられるかな、どんな社会を引き継げるかなと考えたとき、いつも核となるテーマが「働き方」でした。

 

YOUNG GERMANYの当ブログでは「ドイツ・ワークスタイル研究室」と題してドイツの労働環境の実情を探り、ドイツで働く人の声に耳を傾けていきたいと思います。

 

人生には仕事に全力投球できるときもあれば、健康状態や子育て、人生のライフステージによってプライベートと仕事のバランスが変わるときもあります。

いかにして幸福と労働の折り合いをつけながら生きていくかは、まさに一生の問題。正解のない問いを解くためのヒントを探しに、ドイツ・ワークスタイル研究所、活動開始です!

 

休み方改革が働き方改革への近道!?

さて、初回のテーマは「有給休暇」。働き方ではなく、まず休み方の話からはじめましょう!

 

日本とドイツの労働環境を比較したとき、一番大きな違いが見えてくるのが「休暇」のあり方。

何を隠そう、会社員として働きながら年間30日の休暇が取れると聞いてドイツ移住を決めた人がここにも(私)います。

 

ドイツと日本の有給休暇平均取得日数(2019年)

出典:IAB-Arbeitsvolumenrechung 2019, Statistisches Bundesamt、厚生労働省「就労条件総合調査」(2019年)



2019年、ドイツの有給休暇平均取得日数30.9日!

1991年から2019年まで一度も30日を切ったことがなく、有給休暇取得率はほぼ100%です。

対する日本は、厚生労働省「就労条件総合調査」によると2019年の有給休暇平均取得日数は9.4日、有給休暇取得率は52.4%です。

 

日本と比べると、ドイツの労働者は約3倍も多く有給休暇を取得していることになります。

 

ドイツには有給休暇について定めた「連邦休暇法(休暇の最低日数に関する法律)」があり、そこで「雇用者は週6日フルタイムで働く労働者に最低24日間(週5日の場合は年間20日)の有給休暇を与える義務がある」と定めています。

その日数はあくまで最低ラインで、実際の有給休暇の日数は上記のように30日を超えます。

 

連邦休暇法のポイント

日数:有給休暇は最低でも4週間、そのうち2週間は続けて取得
対象:正社員、契約社員、見習い、特定の顧客から所得の大部分を占める仕事を受けているフリーランサー
資格:
6カ月以上勤めた者が上記の日数を請求可能
補償:やむを得なく休暇が取れない場合のみ例外的に給与で補償
病気:休暇中に病気になった場合は病気休暇となり、余暇のための有給休暇にはカウントされない(要診断書)

 

有給休暇は、仕事から完全に解放され、リフレッシュするための時間です。

英気を養うことで、再び仕事に励むことができる……

ハイキングやトレッキングなど自然を満喫する休暇の過ごし方も人気



 

というか、「休暇がなければ働く気にならない」「むしろ休暇のために働いている」というのがドイツの労働者の本音のようで、有給休暇はボーナス(ごっそり税金が差し引かれる)にも勝る福利厚生なんです。

 

ちなみに、そんなに長い休暇を取って、その間の業務はどうなっているんだ?!

という疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。

 

休暇を取る時の心理的ハードルが高くなるのは、自分が休むと誰かに迷惑がかかるんじゃないかと心配したり、自分の担当業務やサービスに穴が開いてしまうんじゃないかと不安に思うからですよね。

 

ご心配なく(?)

 

もちろん同僚や上司に引き継ぎをしてから休暇に旅立ちます。

その上で、休暇中は担当者に繋がらないし、業務もストップする可能性が高いという暗黙の了解がドイツ社会にはあります。

長期休暇を取るという職場経験をほぼ全ての労働者がしているからこそ、一緒に働く同僚の立場、または客や取引先の立場であったとしても、「休暇に入っちゃったか、しょうがない」と一時的な不便を許容し合えるのではないでしょうか。

 

また、2〜3週間の長期休暇を取ったら職場に居場所がなくなる?評価が下がる??という不安も拭いきれないかもしれません。

私自身も日本に一時帰国した際には友人から「ドイツに帰ったら席がなくなっているかもよ?」と半ば冗談のように心配されたこともありました。

 

ご心配なく(!)

 

労働法や連邦休暇法、労働契約書に則ってお休みいただいているのに

被雇用者の立場が危うくなる方が問題です。

 

日本を離れてみて、日本の労働者がいかに勤勉かがわかります。

有給休暇の取得率がアップしたら幸せな労働者が増えて、社会と家庭にも笑顔と活力がみなぎるのではないでしょうか!

そんな簡単な話じゃない、というのも事実です。

でも、権利とは与えられるものではなく勝ち取るもの。

自分を守るためにも、労働者の権利を理解することから始めましょう。

 

堂々と休む社員を会社と社会が歓迎すれば、

有給休暇の取得率100%は夢ではありません。

 

ーー日本でも、きっと。

 

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高橋 萌

ドイツに興味を持ったきっかけは、ドイツで農業を学ぶ友人に誘われて父と母がドイツ旅行に行ったこと。家で留守番をしていた子どもの頃の私は、連れて行ってもらえなかった「ドイツ」という国に、いつか自分も行くと心に誓うのだった。そして2002年夏ボン大学、2003〜2004年ミュンスター大学への留学で念願を叶え、卒業後は実用書籍の出版社に勤める。しかし、あまりの激務に「人生ってなんだっけ?」と再びドイツに戻ってくる。2007〜2008年ドイツ国際平和村で住み込みボランティア、2008年〜2017年ドイツニュースダイジェスト編集部、2018年からはフリーの編集者/ライターとして活動している。 YouTube : https://www.youtube.com/channel/UCCsxuIIUnqpCpNY0v6EIi_w

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