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もっちりおいしい!ドイツのブレーツェル(プレッツェル)

もっちりおいしい!ドイツのブレーツェル(プレッツェル)

ドイツが誇るグルメといえば、なんといってもパン!大小合わせて3000種にものぼるといわれるドイツパンのなかでも、代表的なもののひとつがブレーツェル(プレッツェル)。種類や食べ方、最近人気の進化形など、大好きなブレーツェルについてお伝えします。

 

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※ブレーツェル(Brezel)・・・日本では英語のプレッツェル(Pretzel)が通名となっていますが、ここではドイツ語でブレーツェルと呼ばせていただきますね。

 

ブレーツェルは大きく分けると、もっちりとしたパンタイプと、小さくてカリっとしたスナックタイプの2種類があります。

今回のお話はパンのブレーツェルについて。

 

ブレーツェルってどんなパン?

 

ブレーツェルの起源については諸説ありますが、その形は、キリスト教徒が祈る時に腕を交差した姿に由来するといわれています。

切れ目入りで、細い部分があるのがシュヴァーベン風なのだとか。



 

ブレーツェルの本場といえば、南ドイツのミュンヘンを中心とするバイエルンや南西ドイツのシュヴァーベン地方。よく見ると地域によって特徴があり、シュヴァーベンのブレーツェルは、クープ(切りこみ)が入って腕の部分が細くなっていることが多いようです。

 

以前バイエルンのパン工房でブレーツェル作りを見学させていただいたことがあるのですが、細くのばした生地を空中でくるっと回してあっというまに成形していく技が魔法のようでした。教わって挑戦してみたのですが、なかなか難しかったです。やはりマイスターはすごい。

マイスターの空中技は難しかったので、台の上で成形してみました。



 

独特のもっちり食感とつやのある濃い茶色は、ラウゲンと呼ばれるアルカリ水溶液に浸して焼かれるため。最近はこのラウゲンを使ったパンのバリエーションが増えていて、クロワッサンと合わせたようなラウゲンエッケや、ブリオッシュ風のラウゲンブリオッシュなども人気です。

左がラウゲン無し、右がラウゲンを付けて焼いたもの。



 

クロワッサンとブレーツェルをあわせたようなラウゲンエッケ。



 

パン屋さんには、バターをはさんだブレーツェルのほか、チーズや卵をのっけたタイプが並んでいることも。ビアガーデンやレストランでは、ビールのおつまみとしてプレーンなブレーツェルがよく食べられています。ミュンヘンのオクトーバーフェストで見かけた方もいるかもしれませんね。ちなみに表面に付いている大粒の粗塩は、払い落としてから食べるのが一般的。ほどよい塩気がビールとよく合います。

チーズや卵をのっけたブレーツェルも。



 

世界で人気のブレーツェル

私は昨年、色んな国(主にマルタ共和国と韓国、日本)で数か月暮らしたのですが、ドイツを離れている間、一番恋しくなった食べ物がパンでした。なかでも無性に食べたくなったのがブレーツェル。

なので、マルタでドイツのスーパーLidlを見つけた時は嬉しかったです。Lidlは欧州各地で展開しているディスカウントスーパー・チェーンで、ご当地商品のほかドイツ食品も豊富。ブレーツェルも手軽に買えるので足繁く通っていました。

マルタでみつけたおいしいドイツの記事はこちら>>https://young-germany.jp/2023/04/malta/

 

そして韓国では、映えブレーツェルがブームとなっていたのでした。
ドイツでは見かけないおしゃれなブレーツェルの数々に脱帽しつつも、苦学生には贅沢すぎてなかなか手が出ず……。

韓国のブレーツェル記事はこちら>>https://young-germany.jp/2023/05/brezel/

 

日本では都市部でドイツパンのお店が増えてきましたが、田舎では(少なくともうちの田舎では)柔らかいパンが主流で、ハード系のパンはなかなかお目にかかれず……。

 

そんなわけで、「ドイツに戻ったら思いっきりパンを食べるぞ!」と楽しみにしていたのでした。

 

ドイツ各地でブレーツェルざんまい

 

ドイツで久しぶりに食べたブレーツェルのおいしかったこと!我慢していたぶん喜びもひとしお。行く先々でせっせと食べています。

 

ミュンヘンのビアレストランにて。バイエルンのおつまみセットとともに乾杯!



 

レーゲンスブルクのドイツ最古のソーセージ屋さんにて。バイエルン伝統の朝食セット。



 

アウクスブルクのパン屋さんにて。パンからはみでるほどのバターの量にびっくり!笑



 

そして自宅でのプチ贅沢といえば、スーパーで手に入るトリュフバター。これをブレーツェルにぬるのが大好きで。3ユーロ台というお手頃価格でお腹も心も満たされ気分が上がるので、ドイツ生活を健やかにおくるための必要経費だと思えば高くありません。ドイツはバターやヨーグルトなどの乳製品もおいしいです。

ブレーツェルにトリュフバターを塗るだけのお手軽なご馳走。



 

みなさんもドイツに行ったら、地元で人気のパン屋さんをみつけて、種類豊富でおいしいパンを色々と味わってみてくださいね。

 

坪井由美子

日本では「食」に関する仕事に従事。商品開発やリサーチ、テレビ・ラジオへの情報提供及び出演、執筆などに携わる。テレビ東京『テレビチャンピオン・甘味王選手権』で3度優勝するなど食いしん坊ぶりを発揮。2003年よりドイツに拠点を移しフリーライターとして活動。旅や食文化、最新トレンドなどリアルなドイツ事情を新聞、雑誌、ウェブメディアで発信。 総合情報サイト「オールアバウト」ドイツガイド担当 / ドイツ発フリーペーパー「ドイツ・ニュースダイジェスト」で『食いしん坊のための簡単おいしいレシピ ~Locker! & Lecker!~』連載中/2020年秋『在欧手抜き料理帖』(まほろば社)出版

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坪井由美子