ゲーテ街道の美味しい旅⑦カフェと音楽の都ライプツィヒ
ゲーテ街道8都市を西から東へ訪ねるグルメ旅。ゲーテや森鷗外が大学に通い、バッハやメンデルスゾーンを始めとする多くの音楽家が活躍したライプツィヒには、美味しい物もいっぱいで……ちょっと食べすぎてしまいました!
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【 ゲーテ街道の美味しい旅 】
①ゲーテの生誕地 フランクフルト
②『若きウェルテルの悩み』の舞台 ヴェッツラー
③バロックの町 フルダ
④アイゼナハ・ヴァルトブルク城
⑤テューリンゲンの花の都エアフルト
⑥ゲーテが眠る世界遺産の町ワイマール
ゲーテ街道の旅も残すところあと2都市。テューリンゲン州からザクセン州に入り、ライプツィヒにやってきました。
古くから通商の交差点として栄えたライプツィヒは、ザクセン州最大の都市。町の中心となるマルクト広場にはルネッサンス様式の旧市庁舎を囲むようにカフェやレストランが並び、活気にあふれています。ちょうどランチタイムだったので、地元の人たちで賑わうワインレストランで腹ごしらえすることにしました。
本日のランチメニューから前菜に選んだレバーのサラダは、メインにもなりそうなボリュームにびっくり。柔らかくシャキっとした食感とナッツのような風味が特徴のフェルドザラート(ノヂシャ)とレバーがフルーティーなドレッシングでまとめられ、ぺろりと完食してしまいました。
メインは、同行者が選んだのがフィファーリンゲ(アンズタケ ※取材当時の夏の食材です)だったので、違うものをと思いもう一方の肉料理にしたのですが、これまたすごいボリュームでびっくり。肉+肉を選んでしまったことをちょっと後悔しつつも、柔らかく煮こまれた牛頬肉はとろとろで美味しくいただきました。
デザートはさすがに無理でしょ、とお腹は言っていたのですが、聞こえないふり。すばらしいお店だからデザートもちゃんと体験しておかなければ!という美味しいドイツを伝え隊としての使命感に従うことに。やはり、デザートもすばらしく美味しかったです。満足、満足。
しかしここで任務完了ではありません。ライプツィヒでは食べておきたいものがまだまだたくさんあるのです。幸い見どころもたくさんありますから、あちこち歩き回ってお腹をすかせることにします。
まずはライプツィヒの自由と平和の象徴、ニコライ教会へ。
かつてこの教会で行われていた平和の祈りが市民運動に繋がり、ベルリンの壁崩壊と東西ドイツ再統一のきっかけのひとつとなったのでした。シュロの木をデザインした内部は明るく、とてもオープンな雰囲気。私はライプツィヒに来るたびに必ず足を運ぶのですが、いつも心が落ち着きます。
毎週月曜日に行われる平和の祈りは、現在も続けられています。
そしてライプツィヒといえば、音楽を抜きには語れません。バッハをはじめ、メンデルスゾーンやシューマン、リスト、ワーグナーなど歴史に名を残す音楽家たちが活躍した町で、クラシック音楽ファンにとってはまさに聖地。ゆかりのスポットは「楽譜の道」としてつながれ、効率よくまわれるようになっています。
20か所以上もあるスポットの中でもとくに有名なのが、バッハが長年オルガニスト兼指揮者を務めたトーマス教会。内部には彼のお墓もあり、ファンだけでなく旅行者がひっきりなしに訪れます。タイミングがあえば、オルガン演奏や合唱団の歌声を聴けるかもしれませんね。バッハファンなら、教会の向かいにあるバッハ博物館も見逃せません。
近くのカフェでいただける、バッハゆかりのスイーツも楽しみのひとつです。
ライプツィヒには古くからコーヒーが伝えられ、18世紀にはドイツ初のカフェが登場。カフェは音楽が演奏される社交の場として発展していきました。花開いたカフェ文化をテーマに、バッハは「コーヒー・カンタータ」を作曲。トーマス教会のそばにある老舗のカフェでは、バッハにちなんで作られたコーヒー風味のチョコレートケーキ「バッハトルテ」をいただけます。名物の焼き菓子「ライプツィガー・レアヒェ」とともに、ひと休み。
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ライプツィヒの名物ビールとグルメ
ランチとカフェでかなりお腹いっぱいでしたが、夜もしっかりと任務遂行。ライプツィヒに行ったら外せないスポット、ゲーテ作『ファウスト』に登場する名物酒場で、たっぷりと郷土料理をいただきました。こちらはまた別の機会に詳しくお伝えしたいと思います。
次回は、いよいよゲーテ街道最後の町に向かいます!