ドレスデン名物「世界で一番美しい牛乳屋さん」のシュトレンとは?
日本でも段々と人気が出てきている、アドベントシーズンの心温まるお菓子、Stollen(シュトレン)
もちろん、ドイツのパン屋さん、ケーキ屋さん、スーパーとまで、至る所で販売されていますが、実は
「シュトレンといえば、ドレスデン!」
という、ドイツ全土に広がる「本物のドレスデンのシュトレンへの憧れ」みたいなものがあるのを、
皆様は耳にしたことがありますか?
ドレスナーシュトレンとは?
クリスマスシーズンが始まる少し前、ドレスデンに遊びに行く機会があったんです。
そうしたら、お友達でグルメなドイツ人が
「なんて羨ましい!頼むから、本物のドレスナーシュトレンを、買ってきてくれ〜!」
と、リクエストが。
え。本物の?
実はシュトレンはドレスデンで生まれたそうなのです。
そして、その伝統と誇りを守り抜くため、
ドレスデンのシュトレン保護組合 (Schutzverband Dresdner Stollen)
という錚々たる名前の団体から認められると、、
黄金のワッペン(Stollensiegel)をつけることができるのですって!
黄金の認定ワッペン
その誇り高きワッペンがこちら。
シリアルナンバーと共に、どーんとアウグスト教皇のお姿が!
このワッペンがもらえるには
・協会が認めた伝統のレシピで作られていること
・外注せずに、ドレスデン市内と隣の認められた町で一つ一つ作られていること
・材料の品質までも全てクリアーしている事
などなど、、もうドイツらしさ満点の確固たる厳しい基準の数々が!
それを「シュトレンテスト Stollenprüfung」と言って、大真面目に細かくテストするというから、驚きです。
数々の基準をクリアーした子なのね〜〜❤︎
とある歴史ある有名なドレスデンのお菓子屋さんは、
実はミュンヘンに工場があるので何とこのワッペンをもらうことができなかった、、と伺いました。
なんか、簡単に美味しい〜!って頂いちゃいけないような仰々しさですよね!?
北ドイツでもワッペン発見!
実はこのワッペン、ドレスデンから遠く離れた私のすむ北ドイツの街でも発見することができました。
じゃじゃ〜ん。特大ワッペン!
こちらは、何とクリスマスマーケットの屋台。
まるまる1店、ドレスナーシュトレンだけが売られたお店。
このワッペンの威力が、どれほどのものか感じて、ははぁ〜〜〜!と声が出てしまいます。
じゃあ、一番心ときめくドレスナーシュトレンって?
実は私のパートナーはドレスデン生まれ。
物心ついた時から、誇り高き金ワッペンのシュトレンを食べ続け、他の地方のものは口にしたことがない!というこだわりよう、いわばワッペン付きのエキスパートです。
そんな彼が力を込めてお勧めするのがこちら、、、
【ドレスナー・モルケライ・ゲブリューダー・プフント】
(Dresdner Molkerei Gebrüder Pfund)こちら、、世界のギネスブックに認定された
「世界で一番美しい牛乳屋さん」
というお店として、小売店を超えたドレスデンの観光スポットとして人気な場所なのです。
長〜い名前ですが、地元では「プフント・モルケライ」と呼ばれ、愛されています。
とにかくこの写真を見てみてください、、、(感涙)
お店に一度足を踏み入れると、そこはため息しか出てこない、まるで美術品の中に入ったような感覚。
19世紀に手描きされた、美しいタイルでお店が埋め尽くされています。
まるで美術品やアクセサリーでも並んでいそうなお店なのに、、
でもショーケースに並んでいるのはチーズたち!
その名の通り、「牛乳屋さん」乳製品を扱う食料品店なのです。
こちらのシュトレンにも、ちゃんとあの、黄金のワッペンが鎮座しています。
そしてその美味しさたるや、、(筆舌に尽くす‥)
2種類ある美しい飾り箱に入っています。
伝統とは?
レジに沢山のシュトレンを持って並んでいたら、お店の優しい笑顔の女性が
「私たちのシュトレン、このドレスデンの昔ながらの伝統の釜で、愛と力を込めて、一つ一つ焼いているのよ。」
と。この伝統と愛と力、、という言葉が、心にジーンと響いてしまいました。
今年は悲しくも、予定されていたクリスマスマーケットが、直前になってキャンセルされてしまったドレスデン。
どんな困難な時代の波が押し寄せても、「伝統と愛と力」によって、守られ引き継がれている歴史がここにあるのだ、、と実感できた一瞬でした。
来年はドイツ中の人々が、どうか笑顔で、暖かな光の中、グリューワインで乾杯できますように、、、!
皆様、素敵なアドベントシーズンを!
来年も私、オペラの、「ときめくドイツ」でお逢いしましょう。