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ドイツの秋限定の新ワイン「フェーダーヴァイサー」

ドイツの秋限定の新ワイン「フェーダーヴァイサー」


9月になってぐっと秋めいてきたドイツ。ついこの間の猛暑でバテ気味だった日々が恋しく思えるほど、肌寒い日も増えてきました。これからはあの、長くて暗くて寒い冬に向かって一直線・・・今年はいったいどんな冬がやってくるのでしょうね・・・(ぶるぶる)

そんな不安を吹き飛ばすべく、秋の味覚を思う存分楽しむとしましょう!

前回は旬のきのこ、フィファリンゲについて書きましたが、今回はドイツの秋限定の飲みもの、フェーダーヴァイサー※(Federweisser)を紹介したいと思います。
※様々な日本語表記が使用されていますが、ここではドイツワイン・インスティトゥートの表記に準じてフェーダーヴァイサーを使用します。






フェーダーヴァイサーは、ドイツ語で「白い羽」という意味。ワインになる前の発酵を始めたばかりのぶどう果汁には酵母がたくさん含まれていて、それが白い羽のように見えることから名付けられました。

初めて飲んだ誰もが驚く、甘いりんごジュースのような濃厚な甘み。その味からすると意外なほどアルコール度数が高く、最初は4%くらいから始まり、発酵が進むにつれてだんだん増えて約11%にもなるんです。ジュースみたいなのでついグイグイと飲んでしまい、気がつけば酔っぱらってふらふらになっちゃうこともしばしば。お酒が弱い方はお気を付けください。




ワインの町ダイデスハイムのワイナリーにて。「neuer wein 新ワイン」が1杯1ユーロ!





秋になると、ワイン生産地のあちこちに「新ワイン(Neuer Wein)」の看板がかけられ、ワイン農家ではできたてのフェーダーヴァイサーを買うこともできます。




以前、ロマンチック街道北端のフランケンワインの中心地、ヴュルツブルクを訪れた際には、ポリタンク入りのフェーダーヴァイサーを抱えて飲み歩く人たちに出くわしてびっくりしたこともありました。




ヴュルツブルクの街角でフェーダーヴァイサーを楽しむ人々





ワイン生産地では、フェーダーヴァイサー祭りが開かれる町も。このお祭りの発祥がプファルツ地方のランダウ(Landau)だと聞き、はるばる訪ねたことがありました。




ランダウのフェーダーヴァイサー祭り「Fest des Federweißen」





街の中心にある広場に近郊のワイン農家のテントが並び、各ワイナリー自慢のフェーダーヴァイサーを楽しむことができます。昼間からたくさんの人が集まって、みなさん、ま~飲むこと!しかも大きいジョッキで。ステージでは歌のショーが繰り広げられ、なんともゆる~い雰囲気。こういうほのぼのとしたお祭り、大好きです。




9~10月頃には市場やワインショップ、スーパーにもフェーダーヴァイサーが並びます。基本は白ワインベースですが、たまに赤の「フェーダーローター 」を見かけることも。
先日は、珍しいロゼのフェーダーヴァイサーを発見しました!






白い羽ならぬバラ色の羽ですね。名付けるならフェーダーローザー?




栓はゆるめできっちり閉まっていないので持ち運びには注意が必要。





フェーダーヴァイサーは、ボトルの中で炭酸が発生し続けているため密封することができません。栓はしっかり閉まっておらず、持ち運びには注意が必要。残念ながら日本へ持って行くことができないので、機会があれば秋のドイツで飲んでみてくださいね。

ところで、フェーダーヴァイサーはある食べ物と一緒に楽しむのがお約束なんです。次回は、そのおいしい相棒を紹介します。お楽しみに!

坪井由美子

日本では「食」に関する仕事に従事。商品開発やリサーチ、テレビ・ラジオへの情報提供及び出演、執筆などに携わる。テレビ東京『テレビチャンピオン・甘味王選手権』で3度優勝するなど食いしん坊ぶりを発揮。2003年よりドイツに拠点を移しフリーライターとして活動。旅や食文化、最新トレンドなどリアルなドイツ事情を新聞、雑誌、ウェブメディアで発信。 総合情報サイト「オールアバウト」ドイツガイド担当 / ドイツ発フリーペーパー「ドイツ・ニュースダイジェスト」で『食いしん坊のための簡単おいしいレシピ ~Locker! & Lecker!~』連載中/2020年秋『在欧手抜き料理帖』(まほろば社)出版

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坪井由美子