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旬のきのこ「フィファリンゲ」を楽しもう!【レシピ付き】

旬のきのこ「フィファリンゲ」を楽しもう!【レシピ付き】


先週までの猛暑から一転し、秋の気配を感じるようになったドイツ。過ごしやすさとともに食欲が増す季節です。秋の味覚といえば、きのこ。ドイツのマルクト(市場)には様々なきのこが並んでいます。








なかでもこの季節の風物詩的存在なのが「Pfifferlinge(フィファリンゲ)」。ちなみにフランスでは「ジロール」、日本では「アンズタケ」と呼ばれます。あんずのような香りをもつことから名付けられたようですが、見た目もあんずのようなオレンジがかった色。コリコリとしたしっかりめの食感と、繊細な香りと味わいが特徴です。

ドイツでは春の味覚といえばシュパーゲル(白アスパラガス)ですが、夏から秋にかけての味覚といえばこのフィファリンゲ。シュパーゲルと同じく他の野菜に比べるとちょっとお高めなきのこです。といっても、スーパーでは1パック3ユーロ前後とお手頃。ちょっぴり贅沢な期間限定のお楽しみとして親しまれています。








ドイツのスーパーで出回っているものは、ロシアやベラルーシ、リトアニア産のものが多いようです。ロシアではきのこはとても身近な食材で、家庭料理にもよく使われるのだそう。

以前、ドイツに住むロシア人家庭に招待された時、おうちにきのこ専用の冷凍庫があったのにはびっくりしました。旬の間にせっせときのこ狩りをし、冷凍しておいて一年中楽しむのだとか。きのこのマリネをおつまみに、喉が焼けるような強いウォッカを飲まされ、ロシア文化の一端を垣間見ることができました。
先日フィファリンゲを買ったところロシア産だったので、あの時のロシアな夜を思い出しつつ、ロシアの餃子ピルメニ(ドイツのスーパーにある冷凍品を使用)と一緒にいただきました。




(左)フィファリンゲのクリームソースをピルメニとともに(右)オムレツにもきのこたっぷり




クリームソースのパスタはフィファリンゲ料理の大定番。簡単にできるので、ぜひお好きなパスタで作ってみてください。

フィファリンゲを買うと枯れ葉や小枝などがくっついていることが多いので、まずお掃除をします。専用のハケなどで丁寧に取り除くのがよしとされていますが、手間がかかるので、ずぼらな私は小麦粉を全体にまぶしてさっと水洗いしています。この方法だと一瞬でぴかぴかの黄金色に。
※一般的にきのこは水洗いがよくないといわれますので、ご自分の判断でお願いします。




【フィファリンゲのクリームソースパスタ】

■材料(2人分)

アンズタケ           200g
玉ねぎ    小1/2個
にんにく              1片
ベーコン              2枚
好きなパスタ       2人分
オリーブオイル    大さじ1
白ワイン              大さじ1
小麦粉    小さじ1/2
生クリーム(牛乳でもOK)           100g
塩・胡椒              適量
パセリ 適量

■作り方

1.アンズタケは汚れを取り除く。玉ねぎ、にんにくはみじん切り。ベーコンは細切りにする。

2.パスタをゆで始める。

3.フライパンにオリーブオイルとにんにくを熱し、ベーコンと玉ねぎを炒める。しんなりしたらアンズタケと白ワインを加えてさっと炒める。

4.小麦粉を全体に絡めたら、生クリームを加えて混ぜ合わせる。

5.塩・胡椒で味を調え、パセリをちらす。

6.ゆであがったパスタと一緒に盛り付ける。




この時期は、レストランでもフィファリンゲを使った様々な特別メニューが用意されています。




フィファリンゲのサラダ




フィファリンゲのクリームソーススパゲッティ




フィファリンゲのリゾット




魚料理にフィファリンゲのソテー添え




フィファリンゲの繊細な味わいは、そろそろ出始めた新ワイン「フェダーバイサー」とも相性抜群。この季節ならではの旬のおいしさを楽しみましょう!




坪井由美子

日本では「食」に関する仕事に従事。商品開発やリサーチ、テレビ・ラジオへの情報提供及び出演、執筆などに携わる。テレビ東京『テレビチャンピオン・甘味王選手権』で3度優勝するなど食いしん坊ぶりを発揮。2003年よりドイツに拠点を移しフリーライターとして活動。旅や食文化、最新トレンドなどリアルなドイツ事情を新聞、雑誌、ウェブメディアで発信。 総合情報サイト「オールアバウト」ドイツガイド担当 / ドイツ発フリーペーパー「ドイツ・ニュースダイジェスト」で『食いしん坊のための簡単おいしいレシピ ~Locker! & Lecker!~』連載中/2020年秋『在欧手抜き料理帖』(まほろば社)出版

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坪井由美子