【今週のドイツ語】kleine Brötchen backen
皆さま、朝食は和食派ですか?それともパン派?
4月12日は江戸時代に日本で初めてパンが焼かれたことを記念するパンの日なんだそうです。ドイツでもパンは種類が豊富でおいしいですよ!今日はそんなパンに関係する慣用句をご紹介します。
kleine Brötchen backen
クライネ・ブレートヒェン・バッケン
klen は「小さい」という意味です。Brötchenはドイツで一般的に朝食によく食べる丸い小さな白パン。Brot(パン)に、縮小の意味を表す接尾詞 -chenがついていて、それだけで「小さなパン」を表しているのですが、さらに「小さい」という形容詞を付けています。最後のbackenは「焼く」で、直訳すると「小さな丸パンを焼く」ということになります。
この表現、「控えめにする」とか「要求を引き下げる」という意味で使われるのですが、なぜでしょう。
ドイツ語で「パン」は稼ぎや生活、仕事の成果などの比喩として使われることが多いことから、「小さいパン」は、成果が少ないとか、結果が伴わないとかいう意味を表します。例えば、仕事で大風呂敷を広げたものの、実際にはそんな成果が見られなかった時など「(言ってたよりも)小さいパンを焼いたんだね」という言い方をしたり、強気な発言をした割には結果を出せなかったので、しばらく大人しくしていよう、というときも「ちょっと小さいパンを焼くことにするよ」などと言います。企業の業績が予想を下回った場合なども「今期A社は小さいパンを焼くことになった」なんて新聞記事が出ることも。
でも、少年よ大志を抱け、なんて言葉もある通り、小さいパンを焼いていては夢は叶えられませんよね。野心を抱かないまでも、小さいパンばかり焼かなくてすむよう、日々精進しようと思います。
©ドイツ大使館 今週のドイツ語