【今週のドイツ語】jemand bekommt Wasser auf die Mühle
3月22日は国連が定めた「世界水の日」。
水の大切さは言うまでもありません。生物としての人間の生存に必要なだけでなく、農業にも、動力源としても、大きな役割を果たしています。今週は、そんな水を使ったドイツ語表現をご紹介します。
jemand bekommt Wasser auf die Mühle
イェーマント・ベコムト・ヴァッサー・アウフ・ディー・ミューレ
Wasserは「水」、Mühle はもともと挽臼という意味から、それを回す水車や風車も指すようになり、ここでは「水車」を表します。言葉通りだと「誰かの水車に水が流れる」となりますが、どういうことでしょう。
電力などなかった時代、水が大切な動力源の一つだったことは想像に難くありません。水車小屋の水車に水が流れなくなったら、挽臼は回らず、小麦は粉に挽かれず、粉屋は仕事にならない・・・各集落に水をどのように配分するかという争いもよく起きていたようで、自分たちの水車にきちんと水が流れるかどうかは、共同体にとっても死活問題だったのです。そんなことから、「(・・・の)水車に水が流れ込む」は、その人にとって「思いがけない幸運」、「もっけの幸い」、さらに進んで「思う壺」という意味で使われるようになりました。
毎日、蛇口をひねればきれいな水がたっぷり使える生活を当たり前と思ってしまいがちですが、今も世界では水をめぐって様々な問題が解決されないまま。 誰か1人の「水車に水が流れる」だけでなく、世界中の人たちに必要な水が行き渡るよう、みんなで考えていかなくちゃね。
©ドイツ大使館 今週のドイツ語