蓮舫氏の国籍問題・貧困JK騒動など~2016年を「日独ハーフの視点」で振り返って~
12月ももう半ばですね。そして今年もあとちょっとで終わりですね・・・
今年、色々なことがありました。
もちろん良いことも沢山ありましたし、そのことに触れたいところですが・・・・「日独ハーフの視点」 から見てみると、残念なことも多かったように思います。世界的にも、そして日本国内でも。
「世界」に関しては、今年ついにトランプ大統領が誕生してしまいました。ドイツの AfD にしても Le Pen が率いる FN に関しても今年誕生した政党ではないとはいえ・・・・今年2016年、世界各国が右翼化している印象は否めません。越えてはいけない一線を越えてしまったというか・・・。こうやって書いていると恐ろしい気持ちになってきます。
日本国内に関しては、相模原障害者施設殺傷事件 を筆頭に元アナウンサーの男性が人工透析患者のことを自堕落な生活の結果であるから人工透析はお金の無駄遣いであると叩いたり、
「NHKニュース7」に「貧困家庭に育ったため、専門学校の学費を親が払えず、夢(将来なりたい職業)を諦めざるを得ない状況にいる女子高生」が出演したところ、「映画を観に行っているようなので、貧困ではないのではないか。」「千円以上のランチを食べているのだから、貧困ではないのではないか。」などと理不尽な理由で世間から叩かれた件 (「貧困JK」とネットに入れると沢山記事が出てきます)など、
自分の人生や生活に満足していない人々が、その鬱憤と不満を、社会の弱者に牙を向けることでストレス解消をする、という趣味の悪いケースが2016年は目立ちました。
そして「ハーフ」 として、もっとも気になったのは8月末からしばしニュースになっていた「蓮舫氏の国籍問題」です。何が気になったかって、蓮舫氏の国籍問題について日々議論されていた中の「世の中の空気」です。たとえば彼女の二重国籍問題を扱った記事のコメント欄の内容の酷さ。
もちろん「コメント欄」イコール「世論全般」ではない、、、と思いたいところですが、それにしても、なんなのでしょう、この排他的な空気は・・・?
蓮舫氏の国籍の問題がニュースになってしばらくしてから今度は政治家ではない「ハーフ」、たとえばベトナムと日本の「ハーフ」であるTBSの山内アナウンサーにまでこの問題が飛び火してしまい、
そういった流れの中、結果として、政治やテレビの世界とは無関係である一般社会の「ハーフ」や外国にルーツのある人も日々の生活の中である種の居心地の悪さを感じることになってしまいました。国籍に関する詳細はこちらをご覧いただくとして、たとえばハーフのA子さんがいたとして、A子さんが実際に【日本国籍しか持っていない】としても、または【日本国籍以外にも国籍を所有している】としても、「あの人、外国にルーツがあるから、もしかして二重国籍なんじゃないの・・・?」というふうに「一旦はとりあえず疑われる存在」となってしまいました。
いえ、「ハーフ」に限らず、今の日本ではある種の「グループ」に属している人(人工透析患者、貧困者など)、つまりは「マイノリティーの人」全般に疑惑の目が向けられつつある事態となっています。
なんだかんだ理由をつけて、結果としてマイノリティーを叩いたり、それにのっかって加担してしまったりと、2016年はそんな行為が目立った年でありました。嫌な世の中になったものです。
色んな意味で社会の閉塞感のようなものが浮き彫りになった一年でしたが・・・
来年はもっと良い年になりますように!
2017年に期待したいと思います。少し早いですが、みなさま良いお年を!Einen Guten Rutsch ins Jahr 2017!