「これはリンゴではない。」
この表紙の絵のことであろうか?
フェルディナント・フォン・シーラッハさん作、酒寄進一さん訳『犯罪 Verbrechen』は
Ceci n’est pas une pomme.
これはリンゴではない。
と、フランス語で書かれた一文で結ばれているんだ。
シーラッハさんのこの『犯罪』は2012年に本屋大賞の翻訳小説部門で大賞に輝いた作品。
2004年に始まった本屋大賞が2012年に新たに翻訳小説部門を設けて最初の大賞にドイツミステリが選ばれ、その快挙にマライさんが大興奮で執筆してたのを覚えてる! ⇒「祝! シーラッハ『犯罪』本屋大賞・特別インタビュー」
この小説は日本語のみならず世界32カ国の言語に翻訳され、ドイツ国内では映像化されてドイツ人職員さんも知らない人はいないくらい。
リョウちゃんもドイツ語で読んだって言ってたニャ♪=^_^=
それにしても2012年にヒットした『犯罪』をなぜ今頃?と思われるでしょうが、実はこの小説、映像化に伴いシーラッハさんが文章の書き替えを行ったらしく、最初に日本語で出版された版はその書き替え前の2009年に刊行されたものを翻訳したもので、今回改めて書き替えたものを翻訳した版が出版されたということで、東京創元社さんから届いたんだ。
振り返ってみるとシーラッハさんの作品はこれまで『コリーニ事件』を読んだけど(⇒「コリーニ事件」)、シーラッハさんの処女作『犯罪』は読んでニャかったんだ。
『犯罪』は刑事事件専門の弁護士でもあるシーラッハさんが、実際に取り扱った事件をモデルに書き上げた珠玉の短編集。
酒寄さんの名訳と相俟って臨場感のある見事な描写が読者の興味を離さない。
これまたあっという間に読んじゃいました♪
まだ読んでニャい人はぜひ!
収められた11の短編に共通して登場するリンゴはいったい・・・=^_^=
(13. August 2015)
「ドイツ大使館ネコのきまぐれブログ・アーカイブ」 ⇒ http://nekoblog-yg-japan-archive.blogspot.jp