ドイツ情報満載 - YOUNG GERMANY by ドイツ大使館

#Author : マライ・メントライン

マライ・メントライン

翻訳(日→独、独→日)・通訳・よろず物書き業 ドイツ最北部、Uボート基地の町キール出身。実家から半日で北欧ミステリの傑作『ヴァランダー警部』シリーズの舞台、イースタに行けるのに気づいたことをきっかけにミステリ業界に入る。ドイツミステリ案内人として紹介される場合が多いが、自国の身贔屓はしない主義。好きなもの:猫&犬。コーヒー。カメラ。昭和のあれこれ。牛。

Twitter : https://twitter.com/marei_de_pon

マライ・メントライン

2019.08.29なんと堂々たる二番煎じ!だがそれがいい!『帰ってきたムッソリーニ』

『帰ってきたヒトラー』が評判になったとき、「これでイタリアが、柳の下のドジョウ狙いで『帰ってきたムッソリーニ』とかつくったらウケるよねー、でもまあ、やらないだろうねー」と、知人が軽口を叩いていたのです…

2019.03.29ロシアの執念が再起動させる天才ホフマンの幻夢世界!『ホフマニアダ:ホフマンの物語』

鬼才ソクーロフの『ファウスト』もそうですけど、ロシア映画界はしばしば、ドイツ巨匠文芸を超絶な執念と凝り方で映像化します。 なぜ? という明確な説明は無いのですが、原作テーマの普遍性・汎時代性・濃さがロ…

2019.02.08規律厳格な無法地帯の悪夢!『ちいさな独裁者』

大戦最末期、ドイツ。 それは人間性の真価が極限に問われ、さらけ出される恐るべき舞台であり、これまでも数々の文芸・映画のテーマとなってきました。 そして今般ここに、注目すべき新たなる問題作が爆誕! 映画…

2018.09.05プーチン政権が仕掛ける対独イメージ戦略の「いま」が窺える映画:『ヒトラーと戦った22日間』

『ヒトラーと戦った22日間』は、ナチのソビボル収容所で1943年に起きた大反乱の「75周年記念」作品として、2018年にロシア政府の肝いりで製作された映画です。 この史実をめぐっては、名作『ブレードラ…

2018.08.30ヨーロッパ人がすごく気にしているテーマの一つを描く映画『判決、ふたつの希望』

本作、キャスト的にもスタッフ的にもドイツ人は関わっていない(主人公の一人が怪しいドイツ車修理ガレージを経営しているのだがそれは余談だ)し、言語文化的にはフランス系の作品ですが、それでも私は敢えてこの映…

2018.07.14もし自分が彼女だったら、もう少しマシな動き方が出来たのか?:映画『ゲッベルスと私』

映画『ゲッベルスと私』は、かのナチス宣伝魔王ゲッベルスの秘書を勤めた経験から第三帝国枢要の空気感を知るブルンヒルデ・ポムゼル氏(2013年の収録当時103歳で意識・発言内容ともに明瞭、その後2017年…

2018.04.15崩壊する日常の果てに来るものは?:映画『女は二度決断する』

登場する人物、会話する人物の視線、目つき、眼差し。 その鮮烈さ、ブラックホールのような深い闇黒さが印象的な映画だ。 「迫真の演技」とそれを評することも可能だろう。しかし何か違う印象を受ける。これは演技…

2018.01.18シーラッハ衝撃作『TERROR テロ』完全舞台、日本上陸!

テーマの鮮烈さもさることながら、「観客の投票で有罪・無罪の結末が決まる」というコンセプトにより、ドイツだけでなくヨーロッパ文化界に大きな衝撃をもたらした天才シーラッハの戯曲『TERROR テロ』。 日…

2017.09.13映画『50年後のボクたちは』…全世代向け「突破」物語の意味とは?

ドイツで220万部を売り上げた驚異のベストセラー『Tschick』(日本語版タイトル:『14歳、ぼくらの疾走』)の映画化。監督は『ソウル・キッチン』などで知られる才人ファティ・アキン! ドイツ全土が超…

2017.08.07『ハイドリヒを撃て!』…英雄譚は何故つくられるか?

『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』は2016年製作のチェコ映画で、歴史に名高いナチスのチェコ副総督、ラインハルト・ハイドリヒSS大将の暗殺(エンスラポイド作戦)を描く内容です。 映画にて描か…