ドイツ情報満載 - YOUNG GERMANY by ドイツ大使館

美味しいお祭り、フードフェスへ行こう!

美味しいお祭り、フードフェスへ行こう!

お祭り好きなドイツでは、年間を通して様々なイベントが開催されます。
キリスト教の行事カーニバルや、世界最大のビール祭りとして有名なオクトーバーフェスト、冬のお楽しみクリスマスマーケットなどは日本でもよく知られていますよね。

そういった大規模なイベントだけでなく、地域密着型のお祭りは、ドイツ各地でしょっちゅう開かれています。とくに気候の良い春から夏にかけては、毎週のようにあちこちでストリートフェスティバル(Straßenfest)が開催されます。広場や通りに様々な屋台が並び、特設ステージで音楽やダンスが繰り広げられるストリートフェスは、誰でもウェルカムでオープンな雰囲気が魅力。外国人も旅行者も地元の人たちと一緒になって楽しめます。

世界各国のフード屋台が集まるストリートフェス。ラテン系はノリノリ♪

世界各国のフード屋台が集まるストリートフェス。ラテン系はノリノリ♪



ストリートフェスのなかでも、最近とくに増えているのが食にこだわった「ストリートフード・フェスティバル」。ここ数年、ドイツでは「ストリートフード」の人気が急上昇し、大ブームとなっているんです。前回の記事ではアイスの流行についてお伝えしたところですが、これまで流行がないといわれていたドイツのグルメ界も、どんどん変化し、ぐんぐんレベルアップしてきているんですよ!(←ここ、強調させてください!)

 

ということで、今回はストリートフードについて。

もともとドイツはソーセージやケバブなどファストフードが美味しい国ですが、従来のファストフードとは一線を画す、素材や見た目にもこだわったグルメ志向のおしゃれなストリートフードが流行中。各国の様々なストリートフードが集まるフェスティバルがドイツ各地で開催され、人気を博しています。

フードフェスには欠かせない「グルメバーガー」。ここ数年、ドイツ各地でグルメなバーガーショップが急増中。

フードフェスには欠かせない「グルメバーガー」。ここ数年、ドイツ各地でグルメなバーガーショップが急増中。



ストリートフードブームの発信地は、やはりベルリン。
なかでも人気の火付け役として知られるのが、クロイツベルク地区にある屋内市場「マルクトハレ・ノイン Markthalle Neun」です。

マルクトハレノインで定期的に開催中のフードフェス。ベルリンの超人気スポット!

マルクトハレノインで定期的に開催中のフードフェス。ベルリンの超人気スポット!



1891年創業の歴史ある市場がリニューアルされ、スローフードとサスティナビリティをコンセプトとして地産地消型のマーケットに生まれ変わったのは2011年のこと。各国料理やパンにスイーツ、ドリンクなどのスタンド で各自好きな物を買って食べられるフードコートのようなスタイルがうけ、一躍人気グルメスポットになりました。

ベルリンの郷土料理ブーレッテ(ミートボール)屋台。イタリア風やアジア風など様々なソースでおしゃれフードに変身。

ベルリンの郷土料理ブーレッテ(ミートボール)屋台。イタリア風やアジア風など様々なソースでおしゃれフードに変身。



なんと日本のたこ焼き屋台も!ベルリンでは日本食が大人気なんです。

なんと日本のたこ焼き屋台も!ベルリンでは日本食が大人気なんです。



とくに「ストリートフード・サーズデイ」なるイベントが開かれる木曜夜は、ホールに入りきらないほど人があふれてお祭り状態。いまや世界中から観光客が押し寄せるベルリンきっての観光名所となっています。

ベルリンで人気のクラフトビールも飲めます。フルーティーで美味しい!

ベルリンで人気のクラフトビールも飲めます。フルーティーで美味しい!



ベルリンで人気が爆発したフードフェスはじわじわと全国に広まり、ドイツの各都市でこぞって開催されるようになりました。

ローカルなストリートフェスは地域ごとに特色があり、フードにも郷土色が垣間見られるのでワクワク。
先日はヴィースバーデンで開催されたストリートフード・フェスティバルに行ってきました。

ヴィースバーデンのストリートフードフェス。ワイン産地だけあってビールよりワインを飲む人が圧倒的に多い

ヴィースバーデンのストリートフードフェス。ワイン産地だけあってビールよりワインを飲む人が圧倒的に多い



フランクフルト近郊のヴィースバーデンはドイツ歴史古都連盟に加盟している美しい街。温泉保養地として有名ですが、まわりをワインの名産地に囲まれているだけあってグルメ度が高く、食いしん坊にとってじつに魅力的な街なんです。フードフェスでは近郊のワイナリーの屋台がいくつも立ち並び、大勢の人がワインを楽しむ光景が印象的でした。

ドイツはシュヴァーベン地方の郷土料理「シュペッツェレ」。目の前で作るところを見られて楽しい!

ドイツはシュヴァーベン地方の郷土料理「シュペッツェレ」。目の前で作るところを見られて楽しい!



野外で自家焙煎するコーヒーショップ。こんなワイルドなコーヒー屋さん、初めて見ました!

野外で自家焙煎するコーヒーショップ。こんなワイルドなコーヒー屋さん、初めて見ました!



ドイツ、フランス、イタリアなど欧州料理のほか、ブラジル、エクアドル、アルゼンチンなどラテンフードの屋台もたくさん。

ブラジル屋台の炭焼きチキン、ジューシーで美味しかったあ!付け合せも◎

ブラジル屋台の炭焼きチキン、ジューシーで美味しかったあ!付け合せも◎



エクアドルのファミリーが作るのはトウモロコシ粉のパンで肉や野菜をサンドする「アレパス」。これ、めちゃ美味しい!

エクアドルのファミリーが作るのはトウモロコシ粉のパンで肉や野菜をサンドする「アレパス」。これ、めちゃ美味しい!



パリで活躍したパティシエが、ルーツであるアルゼンチンのスイーツを再現する『NAVARRO』も出店。キャラメルクリームが癖になる美味しさ!

パリで活躍したパティシエが、ルーツであるアルゼンチンのスイーツを再現する『NAVARRO』も出店。キャラメルクリームが癖になる美味しさ!



最近のフードフェスでは、ラテンに特化した「ラテンフード・フェスティバル」が頻繁に開かれています。食だけでなく、音楽やダンスなどラテン文化を丸ごと楽しめるとあって毎回大盛況。ラテン系の人たちってこんなにたくさん住んでいたの?!と驚くほどたくさんのラティーノたちが集まって本場さながらの盛り上がり。まるで旅行しているみたいな気分を味わえます。

ほかにも、アジアフード・フェス、インターナショナルフード・フェス、クラフトビール・フェス、ちょっと高級志向のグルメフード・フェスなどなど、ドイツ各地で様々なテイストの美味しいイベントが開催されています。

この時期は旅行中やお散歩中に偶然ストリートフェスに出くわすこともあると思いますので、ぜひ地元の人たちと一緒になって楽しみましょう!

Guten Appetit!

 

坪井由美子

日本では「食」に関する仕事に従事。商品開発やリサーチ、テレビ・ラジオへの情報提供及び出演、執筆などに携わる。テレビ東京『テレビチャンピオン・甘味王選手権』で3度優勝するなど食いしん坊ぶりを発揮。2003年よりドイツに拠点を移しフリーライターとして活動。旅や食文化、最新トレンドなどリアルなドイツ事情を新聞、雑誌、ウェブメディアで発信。 総合情報サイト「オールアバウト」ドイツガイド担当 / ドイツ発フリーペーパー「ドイツ・ニュースダイジェスト」で『食いしん坊のための簡単おいしいレシピ ~Locker! & Lecker!~』連載中/2020年秋『在欧手抜き料理帖』(まほろば社)出版

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坪井由美子