これからも…「出羽の守」
海外と日本の両方で生活経験のある日本人やハーフの人達の悩み。
はい、それは日本に戻ってきてから
「出羽の守」と言われてしまうことなのでした。
二つの国や複数の国での生活経験があると、
学校のことや社会のこと、色んな慣習など、
どうしても「比べたくなってしまう」のですね。
そして会話の中でも、
「日本ではこうだけど、海外では・・・」
「そもそも海外では・・・」
などという発言が多くなったりします。
この「ドイツでは・・・」「スウエーデンでは・・・」「フランスでは・・・」という言い方が、
ときにずっと日本にいる人達から見ると「鼻につく」こともあるのですね。
結果として、「なんでもかんでも海外と比べるのは、どうかと思う」といった意見も出てくるようです。
そういう気持ち(「何でもかんでも海外と比べるんじゃない!ここは日本なんだ!」)もわかるのですが、
そうはいっても、海外と日本を行ったりきたりしていたり、両方の国に友達がいたり、両方の国で生活経験のある人は、
物事を深く考えるのが好きな人であればあるほど「比べることをやめられない」のもまた事実です。
なので、この「出羽の守」現象・・・これはもう周りの人にわかっていただくというか諦めてもらうしかないのですね(笑)
二つの国のお互いの「違い」を間近で見てしまった以上、思うところが出てくるのはある意味自然な流れかと。
そして、そのことについて発信したくなる(「日本ではこうだけど、海外ではああで・・・」)のもまた人間です。
はい、何を隠そう、私自身が「出羽の守」の代表のようなヒト(?)です。何かあるたびごとに「ドイツでは・・・ドイツでは・・・」を連発してしまいます。子供の頃から日本とドイツ、両方の国の文化に囲まれて育ってきましたので、どうしても比べたくなってしまうんです。
実は子供の頃から、そういう比較文化的な話は大好きだったのですが、当時はミュンヘンの日本人学校の邦人クラスに通っていた事もあり、周りの日本人のお友達への(子どもながらの)遠慮から中々今ほどには「ドイツではドイツでは」とは言っていなかった気がします(笑)もしかしたら、「大人になった今」よりも、「子供の頃の私」のほうが周りの空気が読めていたのかもしれません(笑)
しかし、そのぶん、大人になってから「出羽の守」が爆発してしまいました(笑)
このブログも、タイトルは「日独ハーフの視点」(“Aus der Perspektive eines Halfs“)ですが、ある意味、堂々と「出羽の守」が発揮できる場でもありますので、そのことを非常にありがたく思っております。皆さんに楽しんでいただけるように、ドイツでの日常生活、日本での日常生活を体験した中での葛藤や喜び、発見したこと、感じることをこれからも書いていきたいと思いますので、皆様どうぞ宜しくお願い致します。
最後に一点。私がハーフという立場だからでしょうか、日本人からもドイツ人からも「日本とドイツ、住んでみて、どっちが良い?」と聞かれることが多い私ですが、念のために申し上げると、「どちらの国が良い・悪い」という話ではないと思うので、このブログに関しても、ドイツのほうが良いだとか日本のほうが良いだとかの結論を出すことはありません。・・・・これからも「ああでもない、こうでもない」と考えながら「異文化にまつわるアレコレ」を皆様と一緒に考えていきたいと思います。
皆様にお付き合いいただけるとうれしいです!どうぞ宜しくお願い致します。
サンドラ・ヘフェリン
P.S.
7月1日(火)の22:25時~22:50時までNHK(Eテレ)の「テレビでドイツ語」で、春香クリスティーンさんと一緒にMensch ärgere Dich nichtというドイツのボードゲームをします。ドイツのボードゲームに興味のある方、ぜひご覧ください。「テレビでドイツ語 ≪春香クリスティーンの“ニッポンでみ~つけた!“≫~ドイツのボードゲーム~」という番組です。