「クリスマスの首都」ドレスデンのクリスマスマーケット
クリスマスが近づいて来ましたね!
いまはドイツ全国各地で、ヴァイナハツマルクト(クリスマスマーケット)まっさかり。
ベルリンをはじめ、かなり色々なマーケットを見たと自負しておりますが、いまのところ一番お気に入りなのが、ドレスデンです。
「ク リスマスの首都」と自称しているだけあって、市内にいくつもマーケットがあり、マーケット以外の見どころもたっぷり。
でも、やはり最初はドイツ最古のシュ トリーツェルマルクトに足を運びたいところです。
今年で580周年目を迎えるシュトリーツェルマルクト。
私がこのマーケットが好きな理由の1つが、普通のスタンドなのに旧東ドイツDDRのものが手に入ること!今年も、こんなおじちゃんに出会いました。
彼が販売していたのが、アドヴェントならぬ“Vorweihnachtszeit”用のカレンダー。『旧東ドイツではね、宗教色を排さないといけなかったから、“アドヴェント”はダメだったんだよ』とおじちゃん。
天使型のクリスマス飾りも、“天使”はNGなので“Jahresendflügelfigur(年末翼像?)”と公式には言われていたと聞きましたが、“アドヴェントカレンダー”もNGだったとは……。
サンタクロースは“年末の男、Jahresendmann”。年末の男……誰ですか……。。。
でも、東ドイツDDR時代のサンタはぱっちりしたおめめがとってもキュートです。
そして、なんといってもシュトレン!
「ドレスドナー・クリストシュトレンDresdner Christstollen」という、レーズンたっぷりのジューシーなシュトレンは、ドレスデンでしか作ることを許されておらず、中でも、選ばれた製パンマイスターたちだけがその秘伝のスパイスを分け与えられ、アウグスト強王がプリントされた金色のシールを貼ることが許されているのだとか……。
シュトリーツェルマルクトには、その製パンマイスターたちが実演、かまどで焼いたシュトレンをふるまってくれるスタンドもあるので、要チェックです☆
それから、最近よく見かけるのが「Langos」。
もともとはハンガリーやスロバキアの食べ物だったそうですが、インドの揚げパン、プーリーナにもちょっと似ています。ニンニクたっぷり、チーズたっぷり、1枚で満腹です。指がかじかみそうな、冷たい中ではあったかい、湯気がたつ食べ物が美味しいですね!グリューンコール(ちりめんキャベツとソーセージの煮込み)に並んで、ぐつぐつ煮込んだカレーソーセージも発見しました。
エルツ山地で作られている、木工芸品、素朴なクリスマス飾りも見逃せません。
煙出し人形、くるみ割り人形、ツリー飾り。小さくて手頃な値段のものも見つかります。プフラウメントッフェルという干しプルーンで作る人形は戦後、物資が無かった時代に作られていたもの。縁起物である煙突掃除人の形をしています。
ドレスデン市内にはそのほか、
宮殿の厩舎跡で開催される中世風マーケット Mittelalter Weihnacht im Stallhof (ココは週末は有料になるので注意です!)
聖母教会前で開催されている1900年代初頭風のマーケット Weihnachtsmarkt Anno 1900
(ブラシ屋さんがいつも気になってしまいます……。ここのホットワインが街で一番美味しいと言う噂。)
新市街のバロック建築に囲まれた大通りで開催されているもの。
ドレスデン子には、新市街のカフェやショップが集まる一角にあるものや、
Kunsthof-Passageの中で開催されるものも人気のよう(12月の第一週末開催)。
さらには郊外のワイナリーで1日だけ開催されているものだったり、聖十字架教会や聖母教会ではクリスマスオラトリオやコンサートも……。
1日ではとても見切れません!来年もまた来たいなあ、次回はシュトーレンフェスティバルの時に来たいな、いや、聖十字架少年合唱団のオラトリオかなあ……
つい、毎年のように足を運んでしまうマーケットなのでした。
著者プロフィール
河内秀子(かわちひでこ)
東京都出身。2000年からベルリン在住。
ベルリン美術大学在学中からライターとして活動。雑誌『Pen』や『giorni』などでもベルリンやドイツの情報を発信しています。ガイドブック『ことりっぷフランクフルト・ベルリン』編など。
趣味は漫画とカフェ巡り、食べ歩き。蚤の市やオーガニックコスメも大好物。
Twitter(@berlinbau)で『一日一独』ドイツの風景を1日1枚、アップしています。