【今週のドイツ語】eine Schippe drauflegen
今日の表現はこちら。
(noch) eine Schippe drauflegen
アイネ シッペ ドゥラウフレーゲン
eine Schippe は「シャベル、スコップ」でここでは「シャベル1杯」、drauflegen は「上に乗せる」です。ですので noch eine Schippe drauflegen を直訳すると「シャベルもう一杯、上に乗せる」となります。
この表現が生まれたのは、蒸気機関車が現役で活躍していた頃に遡ります。
蒸気機関車は、火室に石炭をくべて燃やし、その熱で水を沸騰させ、発生した蒸気の力を利用して走ります。そのため機関室には機関助士さんがいて、必要に応じて何度も熱く燃える火の中にスコップで石炭を投げ入れる必要がありました。
今日の表現で言う eine Schippe は、この石炭のスコップのことです。
走行中の蒸気機関車に、「スコップ1杯(の石炭を)さらに投げ入れる」と、きっと蒸気機関車はもっと速く走ったり、止まってしまいそうだった蒸気機関車でも、あともう少しだけ走れたのかもしれません。
つまり、「スコップもう一杯、上に乗せる」とは、主に何かの目標を達成するために「更に努力する、もう一歩ステップアップする、予想や期待を超える努力をする」という意味で使われる比喩表現なのです。
実はこれ、先日行われていたFIFA女子ワールドカップのドイツ戦中継を見ていた職員が、先に失点して追いかける展開だったドイツ代表が、途中で同点に追いついた時に言った表現でした。
Jetzt müssen sie noch eine Schippe drauflegen!
さああともう一歩がんばって!(勝ち越して!)
【今週のドイツ語】
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