【今週のドイツ語】 den Braten riechen
明日はクリスマスイブ。みなさんは、どんなメニューでお祝いしますか?
ある調査によると、ドイツのクリスマスの料理で一番の人気は、ポテトサラダにボイルしたソーセージ(Kartoffelsalat mit Bockwurst カルトッフェルザラート ミット ボックヴルスト)。2位は、肉をオーブンなどで焼いた料理、Bratenブラーテンでした。
Bratenには、ローストビーフ(Rinderbratenリンダ―ブラーテン)や、ガチョウの丸焼き(Gänsebratenゲンゼブラーテン)、ローストポーク(Schweinebraten シュヴァイネブラーテン)などいろいろな種類があります。今日は、2位とはいえ、種類も豊富で、焼けるにおいが食欲をそそるブラーテンを使ったドイツ語表現をご紹介します。
den Braten riechen
デン ブラーテン リーヒェン
riechenは、においをかぐという動詞です。そのまま訳すと「焼いた肉のにおいをかぐ」となります。香ばしい幸せなにおいが漂ってきそうですが、その意味するところは正反対で「危険を察知する」「いやな予感がする」という時に使われる表現なのです。
Der Betrüger versuchte die ältere Frau Geld überweisen lassen, aber sie konnte den Braten riechen und rief die Polizei an.
詐欺師は年配の女性にお金を振り込ませようとしましたが、女性は危険を察知して警察に電話しました。
この表現は結構古くからあり、あの宗教改革のルターさんも使っていたことが知られているそうです。こんがり焼かれた肉は、見た目からは何の肉か分からないけれど、においをかげば判断がつくことからこのような表現が生まれたとされています。
せっかくのクリスマスにこんな被害にあわないように、危険な香りはしっかりかぎ分けて、でも香ばしいお料理は楽しみたいですよね。もちろんポテトサラダもおすすめです。
楽しいクリスマスをお過ごしください。
Text by Kumiko Katayama
【今週のドイツ語】
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