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クリスマスマーケットめぐり★ドイツ東部編

クリスマスマーケットめぐり★ドイツ東部編

ドイツのクリスマスマーケットめぐり。怒涛の西部ツアーに続きまして、今回は東部からお伝えします。昨年は東部の多くの街で、新型コロナウイルス蔓延をうけて中止となってしまったマーケット。東部ツアーに出かける予定だった私は落胆したのでしたが、現地の人々、とくに準備万全だったのに直前で中止が決定されたマーケット関係者の方々の悲しみは量り知れません。辛いコロナ禍をのりこえて、今年はほぼ完全復活!喜びいっぱいの街々をまわりました。

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前回の記事はこちら
>> クリスマスマーケットめぐり★ドイツ西部編

 

東部ツアーの出発点はドレスデン。
前半は最古のクリスマスマーケットのひとつといわれる「シュトリーツェルマルクト(シュトレンマーケットという意味)」を訪ね、伝統のシュトレン作りに挑戦。
木工おもちゃの本場、エルツ山地のザイフェンでは工房を見学。
そしてハルツ地方、おとぎの国のようなヴェルニゲローデへ。
機関車で魔女伝説の残るブロッケン山頂を目指しました。

東部ツアー前半の様子はこちらの記事で書きました。読んでくださったら嬉しいです。
>>本場ドイツのクリスマスマーケット シュトレンの故郷ドレスデンと魔女の町ヴェルニゲローデ

 

東部ツアー(ドレスデン、ザイフェン、ヴェルニゲローデ)は数人のグループでまわったのですが、ツアー終了後に、私はひとりで周辺の町にも足をのばすことにしました。
ハルツ地方には魅力的な町がたくさんあります。ただでさえ美しい町並みがクリスマス色に染まったところを見てみたい。この機会を逃す手はありません!

 

まず訪ねたのが、ヴェルニゲローデの東に位置するクヴェトリンブルク。
ほとんど戦災にあわなかった旧市街には様々な時代の木組みの家々が保存され、ユネスコ世界遺産に指定されています。

市庁舎のあるマルクト広場のクリマスマーケット



 

北部の郷土料理、グリュンコール(ケール)煮込みとカスラー(塩漬け豚肉の燻製)



 

クヴェトリンブルクでは通常のクリスマスマーケットの他、土曜と日曜限定で3週間にわたり「中庭のクリスマスマーケット」が開かれます。旧市街に点在する10以上の中庭が解放され、ユニークなマーケットを開催。街を歩いているとあちこちで目印となる旗や看板が目に入ります。その奥に続く中庭に足をふみいれると、昔風の市やアンティーク・カフェ、ギャラリーや雑貨屋さんが集まる市など、それぞれ趣向をこらしたマーケットが開かれていました。どこもこじんまりとしてアットホームな雰囲気。次はどんな庭に出会えるかな?わくわくしながら探検を楽しみました。

 

「中庭のクリスマスマーケット」は赤い幕を目印に



 

ヴェルニゲローデ、クヴェトリンブルク、ときたらゴスラーも外せません。
私のなかでは、この3つは「ハルツ3大おとぎの国」ともいえる可愛い町。

ヴェルニゲローデ同様、ゴスラーもまた魔女伝説で有名



 

ハルツ地方の西端に位置するゴスラーは、かつてハンザ同盟に加盟し銀鉱で栄えた豊かな町で、豪華な木組みの家々が残る旧市街と郊外にあるランメルスベルクの旧鉱山はユネスコ世界遺産に登録されています。

広場で目立っているカラフルな建物はかつてのギルドハウス



クリスマスマーケット会場は、とりわけ美しい歴史的建物が集まるマルクト広場。木組み家屋というとカラフルなおうちを想像しがちですが、ゴスラーはグレーのスレート屋根のモノトーンの家が多く、シックで落ち着いた雰囲気を醸し出しています。

 

今年度の私的ベスト・グリューワイン!アマレット漬け木苺入り。カップもグレーでシック



屋台で何やら珍しい飲み物を発見。聞いてみると、自家製のアマレット漬け木苺をグリューワインに入れるのだとか。想像しただけでおいしそうですが、飲んでみると想像以上においしくて感激。アルコールは強めだけれど、ラズベリーがごろごろ入っているのでとてもフルーティでぐいぐいいけます。今年度のベスト・グリューワインに決定です。お店の人にも興奮しながら感動をお伝えしました。いや~本当においしかった!他の街にも広まってほしいなあ!

 

ゴスラーですっかり良い気分になり、ふわふわしながら今回のツアー最後の町、ハノーファーへ。

ニーダーザクセンの州都ハノーファーは、大規模なメッセが開かれることで知られています。日本ではそれほど有名ではないものの、宮殿のような市庁舎やハノーファー国王がマリー妃の誕生日プレゼントに贈った豪華絢爛なマリエンブルク城(プレゼントが城ってすごいですよね)など、知る人ぞ知る見所がたくさん。日本で大人気の、あのバウムクーヘンのお店の本店も個人的には外せないスポットです。

 

マルクト教会の周辺は美しいレンガ建築が並ぶ



 

ハノーファーのクリスマスマーケットを訪れたのは初めてだったのですが、良い意味で想像を裏切られました。北ドイツ特有のレンガ造りの建物が並ぶマルクト教会の広場を中心に、広い範囲でマーケットが開かれていて街がきらきらと輝いています。旧市街を歩いていると、中世風のマーケットやフィンランド風のマーケットにも出くわし、気がつけばクリマ・ハイ(クリスマスマーケットで感激しすぎてハイテンションになること)になっている自分がいました。いつものことではありますが。

 

珍しい馬肉ソーセージを発見。屋台のおばさまたちの感じがスナックのママっぽくて面白かったです。白いグリューワインとともに



 

中世の騎士(姿の中世市のスタッフ)がお菓子を買っていました



 

今年も西へ東へ、大都市の華やかなマーケットから小さな村の素朴なマーケットまで、様々なクリスマスマーケットを駆け抜けました。
毎回しみじみ思うのは、みんな違って、でも根っこにあるものは同じで、すべて良い。
人生色々あるけれど、クリスマスマーケットではみんながもれなく幸せそうなんですよね。
そこへゆけば誰もが自然と笑顔になって、いつもよりちょっと優しくなれる。そんな魔法にかかりたくて、訪れるのかもしれません。

今年はこれが最後のブログ更新となります。
2022年も美味しいドイツを伝え隊 にお付き合いくださり、どうもありがとうございました。

皆様どうぞ穏やかなクリスマスと新年をお迎えください。
来年も元気でおめにかかれますように!

 

 

坪井由美子

日本では「食」に関する仕事に従事。商品開発やリサーチ、テレビ・ラジオへの情報提供及び出演、執筆などに携わる。テレビ東京『テレビチャンピオン・甘味王選手権』で3度優勝するなど食いしん坊ぶりを発揮。2003年よりドイツを拠点にフリーライターとして活動。共同通信、朝日新聞デジタル、NHK他で旅や食文化、最新トレンドなどについて執筆。近年は世界各地でプチ移住&プチ留学を体験しながら発信中。 総合情報サイト「オールアバウト」ドイツガイド担当 /ドイツ・ニュースダイジェスト」レシピ連載中 / 2020年秋『在欧手抜き料理帖』(まほろば社)出版

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坪井由美子