【今週のドイツ語】sich warm anziehen
さわやかな初夏の陽気が続いていますが、もうすぐ梅雨の季節がやって来ます。既に少し蒸す日もあったりして、この時期は服装に悩みますね。
今日取り上げるのは、服装に関係がありそうで実はあまりないドイツ語表現です。
sich warm anziehen
ズィッヒ ヴァルム アンツィーエン
warm は「暖かい、暖かく」。sich anziehenは「着る」なので、言葉通りに訳すと「暖かく着込む」「暖かい服装をする」となります。
でも、それだけで終わらないことは、毎週読んでくださっている皆さんはもうお気付きですよね。今週もここから一ひねりあるんです。
例えば、誰かとケンカして、相手が „Zieh dich warm an!” (zieh dich anはsich anziehenの命令形)と捨て台詞(!)を残して去って行ったとすると、これはちょっと気を付けなければなりません。
あるいは、スポーツの試合を控えてコーチが „Wir müssen uns warm anziehen.“「我々は暖かい服装をしなければ」と言ったら、相手がかなりの強豪なのかも。
sich warm anziehen 「暖かい服装をする」には、これから予想されるちょっと大変なことや厳しい状況を警告したり、準備や覚悟を促す意味があるのです。「これから寒く(=厳しく)なるから、(暖かい服装をして)備える」というところから来ているようで、このような言い回しが使われるようになったのは比較的新しく、1970年代ではないかと言われています。
しかし、これから暑い季節を迎える私たちは、どのように備えたら良いのでしょうね。やっぱり「暖かく着込」んで、夏の猛暑を迎え撃つしかないのかなあ。
Text by Kumiko Katayama
今週のドイツ語
これまでに紹介した今週のドイツ語が本になりました。
「見るだけで楽しく学べる「暮らし」と「文化」 ドイツのことば図鑑」 というタイトルで、これまで3年以上に渡ってこのサイトで連載をしてきたものを、大幅に加筆修正し、さらに詳しくわかりやすく、そして面白く、例文や関連用語なども載せて紹介しています。
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