【今週のドイツ語】die Kuh vom Eis holen
die Kuh vom Eis holen
ディー クー フォム アイス ホーレン
今日は日本では立春。暦の上では春の始まりだというのに、まだしばらくは寒い日が続きそうですね。地方によっては、雪が降ったり氷が張ったり…天然のリンクでスケートやそり遊びなんて楽しそうですが、氷がしっかり張っているか、事前にちゃんと確認しましょうね。
ドイツでも今週末のお天気はあまり期待できそうにありません。そんなわけで今週のドイツ語は、「氷」を使った慣用句を選んでみました。
die Kuh vom Eis holen
ディー クー フォム アイス ホーレン
die Kuhは「牝牛」、vom Eis は「氷から」。holenは「連れてくる」なので、最初から訳すと
「牝牛を氷から連れてくる」
となります。
これが何を意味するか分かった人は、相当勘の良い人ではないでしょうか。何で牛?何で氷??
この慣用句は、農家人たちの苦労から生まれたようです。冬の寒い日、大事な牛が氷の張った湖に迷い出てしまって、そのまま戻って来れなくなったらどうする?凍った水面は滑ってうまく歩けず、臆病な牛は立ち往生。そのまま巨体の重みで氷が割れてしまったら...??飼い主は、難しい問題を突き付けられて、それでも何とか解決するしかありません。「牝牛を氷から連れてくる」とは「難しい問題を解決する」という意味なんです。
難問を解決する比喩が「牛を連れ戻す」だなんて、のどかだなあと思ってしまいますが、家族を養い生計を立てていくのに必要な牛に何かあったら本当に大変。のどかだなんて言っていられませんよね。それに、氷の上に牛を助けに行くなんて、農家の人の身にも危険が及ぶかもしれません。昔々、本当にそういうエピソードがあったのかもしれませんね。
この週末は、牛が氷の上に迷い出ないように気を付けて、暖かくして過ごしましょう。
皆さま今週もお疲れ様でした。
Text by Kumiko Katayama
今週のドイツ語
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