【今週のドイツ語】Für jemanden eine Lanze brechen
Für jemanden eine Lanze brechen
フュア イェーマンデン アイネ ランツェ ブレッヒェン
みなさんは、誰かのために本気で戦ったことはありますか?戦うと言っても、体を張ってけんかをすることではなく、その人の名誉のために主張や反論をしたり、行動を起こしたり、味方になってあげたりということですが。
今週のドイツ語は、そんな時に使える表現です。
Für jemanden eine Lanze brechen
フュア イェーマンデン アイネ ランツェ ブレッヒェン
「誰かのために(Für jemanden)槍を(eine Lanze)折る(brechen)」
どうして槍を折るのでしょう。この表現の由来は、中世にまでさかのぼるのだそうです。
中世のヨーロッパでは、騎士たちは馬上の槍試合で武術の腕を競い合っていました。また、意見の食い違いや争いごとがあった場合に、槍試合で決着をつけることもあったそうです。いずれにしても騎士たちは、自分が仕えたい貴族や、愛する女性の歓心を買うため、また家族や友だちの名誉のためなど、誰かのために命がけで戦いました。一騎打ちの槍試合では、激しく突き合うため、槍が折れることもよくあったようです。ここから「誰かのために尽くす」「誰かの味方になる」ことを「誰かのために槍を折る」と表現するようになったそうです。
なんだか中世のロマンを感じさせる表現ですが、誰かの味方になるのに、命はかけなくても、そばにいて相手に寄りそうという今風の方法でもいいですよね。ぎゅっと抱きしめるだけでも、大丈夫だよ、あなたの味方だよ、という気持ちが伝わります。
今日は世界的にハグの日とのことですが、今はハグハグするのもなかなか難しいご時勢です。いつかまた、親しい人たちをぎゅっと抱きしめて、元気付けられる日が来ることを信じて。
良い週末をお過ごしください。
©ドイツ大使館 / Text by Kumiko Katayama
今週のドイツ語
これまでに紹介した今週のドイツ語が本になりました。
「見るだけで楽しく学べる「暮らし」と「文化」 ドイツのことば図鑑」 というタイトルで、これまで3年以上に渡ってこのサイトで連載をしてきたものを、大幅に加筆修正し、さらに詳しくわかりやすく、そして面白く、例文や関連用語なども載せて紹介しています。
画像をクリック、または「ドイツのことば図鑑」で検索してみてね!