【今週のドイツ語】Zeit zwischen den Jahren
Zeit zwischen den Jahren
ツァイト ツヴィッシェン デン ヤーレン
大晦日の今日、ゆく年にあったことをあれこれ思い出しながら、くる年の計画を立てている人も多いのではないでしょうか。今日は、「ゆく年くる年」に似ているようでちょっと違う、年末年始のこの時期によく聞かれるドイツ語表現をご紹介します。
Zeit zwischen den Jahren ツァイト ツヴィッシェン デン ヤーレン
Zeitは「時、時間、期間」などを表します。zwischenは「~の間」という前置詞、JahrenはJahr ヤール「年」の複数形Jahreヤーレがzwischenの後ろに来たために変化した形です。「年」が複数形になっているのは、ここでは「二つの年」、つまり「ゆく年」と「くる年」を表していて、二つの年の間の期間を意味します。
でもちょっと待って。二つの年の間って、12月31日の23時59分と1月1日0時00分の間?いや、それも違うなあ、なんて悩んでしまいますね。この表現は、大体クリスマスから年が明けるまで、もしくは1月6日の公現祭(東方の三博士がイエスのもとを訪れた日)までの期間を指しています。
そして、このあいまいさは、西欧の暦で一年の終わりの日と始まりの日に歴史的な変遷があったことと関係しているのです。
一年の始まりを1月1日に定めた現在のグレゴリオ暦が使われるようになる前は、1月6日を一年の始まりとして祝ったり、キリストの誕生日前日の1月24日を一年の終わりとしたりと、年末年始の祝日の解釈は各地で様々でした。
グレゴリオ暦が採用されてからも、キリスト教の宗派の違いなどから、実際の導入は地域によってまちまちという時代が続き、一年の終わりと新しい年の始まりとの間に「その間の期間」というものが存在していました。
最終的に1月31日を一年の終わりと定めてからも、それまでの名残から、クリスマスから1月の初め頃までの期間を「二つの年の間」と呼ぶ習わしが続いているのです。
二つの年の間に、みなさんはどんなことをして過ごされましたか?
クリスマス前後の忙しさから解放されて少しほっとした方、新年を迎えるに当たりやはり忙しく過ごされた方、皆様にとって来年も良い年になりますようお祈りしています。
Einen guten Rutsch ins neue Jahr!
©ドイツ大使館 / Text by Kumiko Katayama
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