【今週のドイツ語】das Salz in der Suppe
das Salz in der Suppe
ダス ザルツ イン デア ズッペ
寒い夜には温かいスープが何よりのごちそう。今年もそんな季節が近づいてきました。11月19日は、ドイツでは「スープの日」です。なぜこの日なのか詳しいことは分かっていないのですが、スープで知られる食品メーカーが毎年この日にチャリティスープキャンペーンを行っていることも、この日がスープの日として広がったきっかけの一つと言われています。これ以外にも、本格的な寒さが始まるこの時期には、スープで募金する活動が各地で見られます。
この季節のドイツのスープと言えば、ジャガイモやレンズ豆がベースのぽってりとした具だくさんスープが頭に浮かびます。ベーコンやソーセージも入れて、お腹いっぱいで体もホカホカ。そんなスープの味の決め手になるのは、シンプルだけど人間が生きていく上で欠かせない、基本中の基本のあの調味料。今日ご紹介するドイツ語表現はその調味料が主役です。
Das Salz in der Suppe ダス ザルツ イン デア ズッペ
das Salz は「塩」、in der Suppeは「スープの中」。スープに入れる塩のことです。
どんなにおいしそうな素材を厳選しても、手間と暇をかけても、そのスープに塩が欠けていたらどうなるでしょう。反対に、一つまみの塩を入れるだけで、突然素材の味が生き生きと感じられておいしいスープに生まれ変わるのです。そんな大事なエッセンス、決定的な要素のことをdas Salz in der Suppe 「スープの塩」と表現します。
日本語では「画竜点睛」が近いでしょうか。あったかいスープの塩とは大分イメージが違いますね。
ドイツの家庭の味「ズッペ」の代表的なものを思いつくままに挙げると
Kartoffelsuppe カルトッフェルズッペ ジャガイモのスープ
Linsensuppe リンゼンズッペ レンズ豆のスープ
Erbsensuppe エアプセンズッペ エンドウ豆のスープ
Tomatensuppe トマーテンズッペ トマトスープ
などですが、まだまだ他にも季節の素材を使ったスープや地方色豊かなスープがいろいろありますよ!
そういえば、ドイツ語ではスープは「飲む」(trinken) ものではなく「食べる」(essen)もの。日本語では「スープを飲む」でも、ドイツ語ではIch esse Suppe.「私はスープを食べる」となります。ドイツのスープでお腹がいっぱいになるのもうなずけますね。
©ドイツ大使館 / Text by Kumiko Katayama
今週のドイツ語
これまでに紹介した今週のドイツ語が本になりました。
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