【今週のドイツ語】in den Wolken schweben
in den Wolken schweben
イン デン ヴォルケン シュヴェーベン
今も現役で運行している世界最古のモノレールがドイツにあることをご存知ですか?ドイツ西部の町ヴッパータールで1901年に開業、今年120周年を迎えた懸垂式モノレール「Wuppertaler Schwebebahn ヴッパーターラー・シュヴェーベバーン」です。日本語では「ヴッパータール空中鉄道」と訳されています。
このSchwebebahnという名前ですが、schweben(シュヴェーベン「浮かぶ」「浮遊する」)とBahn(バーン「鉄道、電車」)を組み合わせたもので、開発に携わった技術者オイゲン・ランゲンによる命名とされています。一般的にモノレールという時にはEinschienenbahn(アインシーネンバーン、「1本の軌道の鉄道」)や、そのまま英語のMonorailを使うことが多いのですが、ヴッパータールのモノレールはずっと、浮かぶ鉄道、空中鉄道と呼ばれて親しまれてきました。なんだか壮大なアニメのストーリーが生まれそうな名前ですが、今日はこのschwebenを使ったドイツ語表現をご紹介しましょう。
in den Wolken schweben イン デン ヴォルケン シュヴェーベン
Wolken は雲(複数形)。schwebenは、ご説明した通り、浮かんだり漂ったりすること。in (~の中で)とあるので、雲の中でふわふわ浮かんでいるということなのですが、どんな状態を表しているか分かりますか?
この表現には2つ意味があって、一つはフォール・イン・ラブ状態ということ!恋に落ちた少年少女が夢見心地でピンク色の雲の中を漂っているところを想像すると、なるほど、と納得できますよね。
もう一つ、ぼんやりと夢想していたり、心ここにあらずという状態だったり、現実味に欠けるような状況を指してこう言うことがあります。やはり、ぼんやりふわふわした雲からの連想でしょうか。
他にも、in の代わりに
über (ユーバー、雲の上に浮かんで) den Wolken schweben
auf (アウフ、雲の上を)Wolken schweben
と言うこともあります。
モノレールのSchwebebahnはしっかりとレールにぶら下がって走行しますが、宙に浮いて走るような感覚はとても爽快でしょうね。乗ってみたいなあ。
©ドイツ大使館 / Text by Kumiko Katayama
今週のドイツ語
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