驚きの連続!キンダーガーテンを通して知るドイツの食にまつわる習慣
こんにちは、シュトゥットガルトで2人の男幼児子育てに奮闘中のふくいWUみらいです。
今回はドイツでの「幼稚園生活その2【食べ物について】」をお届けします。
まず最初にお伝えしたいのが、食文化は本当に国や地域によって様々で、広く偏見のない心でいるといくらでも楽しく美味しい(!)経験ができるということ。
例えば、海外旅行中に地元のスーパーや市場などに行くと、置いているものはもちろんのこと、同じ食材でも見た目やサイズが違ったり、陳列やパッケージの仕方、聞こえてくる音や取り巻く匂いまで違っていて楽しいものです。
(例えば日本に比べるとドイツのきゅうりは巨大だとか、じゃがいもの種類がやたら多いとか、一袋に入っている量が多すぎていつも芽が出るとか、、、それは私だけですね笑)
海外移住をしてからもそれは同じです。特にキンダーガーテン(幼稚園)や学校の食事の内容や食にまつわる習慣は、まさに地元の人達の生活習慣の一部なので、アジア人家庭のうちとはいろいろ違っています。とても興味深いことばかりで、ドイツに移住して4年目の今も毎日のように楽しい驚きでいっぱいです。
今は海外旅行どころか国内旅行もままならない世界情勢ですので、ここで少しでも海外の雰囲気を味わっていただけたらなと筆を執りました。
(本題と関係ないですが、「筆を執る」とはまぁ美しい日本語ですね。実際はパソコンのキーボードをワタワタ叩いてるわけですが、それじゃあ何とも味気ない。)
朝ごはんを2回食べるドイツ人
ドイツのキンダーガーテンで必ずあるのが「朝ごはん(おやつ)」の時間。
だいたい9時から10時半の間にあり、先生も含めみんなで軽食を取ります。給食か家から持参のお弁当なのか、それは幼稚園によって様々のようです。
長男が入園した時のキンダーガーテンからの案内には、「ヘルシーなおやつを持参」と一言だけ書かれているだけだったので、当初ドイツ初心者だった私には何を持たせればいいかよくわからない。
先生に尋ねると、
「チョコレートやケーキみたいなものでなければ、家で食べているようなおやつなんでもいいわよ。」
。。。それがわからない。
???
そもそも、1歳児にチョコレートやケーキを食べさせることはしない。
?????
もちろん、我が家には朝ごはんと昼ごはんの間に、おやつ(2回目の朝ごはん)を食べる習慣はない。
????????
7時半に朝ごはん食べるのに、9時にもう1回朝ごはんを食べるの???????????????
ラッキーなことに(?)慣らし保育は親が横についているところから始まったので、その期間に他の人のお弁当をのぞき込んだ私。
。。。メニューは、ふむふむ。
フルーツ、生野菜、ソーセージやサラミ、チーズサンドイッチ、そしてもちろんプレッツェル。
おー、先生は、にんじんや林檎をそのまま皮ごと丸ごとかじってはるわ。
(当時1歳だった息子は3歳までのちびっ子クラスにいたので、子どもたちのお弁当の野菜やフルーツはさすがに切ってありました。今は4歳の長男は3〜6歳クラスにいるので、みんな丸かじりの方です。そして、ドイツのキンダーガーテンは縦割り保育です。)
そう、ドイツのヘルシーなおやつとは、「素材そのままぶっ込み系 生野菜・フルーツとパン」が主流です。確かに、とってもヘルシーですね。
日本人は毎日お寿司を食べると思われている!?
お米大好きの我が家は、お弁当におにぎりを入れることが多いんですが、漫画にも描いたようにキンダーガーテンの先生はこぞって「Sushi! Sushi!(寿司)」と呼びますね。
うちの息子も、「そうそう、寿司!」と答えますね。
そうしてドイツ人の中で日本人はお寿司を毎日食べてるという誤解に発展し、日本米の名称はどこに行っても「寿司米(Sushi Reis)」
注)息子たちは家ではちゃんとおにぎりって言うんですが、キンダーガーテンの雰囲気で勝手にSushiというドイツ語と思っているようです。
というのは本当か嘘か、、、
でも本当に日本米は「寿司米(Sushi Reis)」で売られています。
スーパーのお米コーナーでも、ジャスミンライス、ミルクライス、バスマティライス、スシライス、、、といった感じで陳列されています。
日本人は寿司しか食べないと思ってつけた名称なのか、、、
それとも、ドイツ人が日本米を買うときは寿司しか作らないから寿司用の米といった意味合いなのか、、、
真相はわかりませんが、とにかく日本食イコール寿司っていうのは、私が、ドイツ食といえばビールとソーセージと思っていた(る?)くらい根付いているイメージのようです。
そして、お寿司が好きな方が多い。
息子たちのキンダーガーテンで何かイベントがあるたびにリクエストがあり、お寿司を持っていきます。もちろん、生魚を食べる習慣は(日本食レストランにでも行かない限り)ないので、お寿司といってもツナマヨやカニカマ・アボカド、かっぱ巻きばかりですが。。。私の料理など適当もいいところですが。。。それでも人気で、すぐなくなります。
〈お詫び〉日本人の皆さま、我が家は、おにぎりにカルフォルニアロール、ツナマヨ巻きが寿司の王道と思っているドイツ人の人口を確実に増やしています。申し訳ございません。
さて、他に慣らし保育中に驚いたのは、1歳から3歳になるまでのちびっ子クラスでも、ガラスコップに陶磁器のお皿を使うことです。
「割れちゃわない?」と聞くと、
「しょっちゅう割れるわよ。でも割らないと子供は学ばないでしょ。」という先生からの返答。
確かに、うちの子も私もプラスッチックなのをいいことに、落としたり投げたりしてしまっても平気だなという感覚でいます。物の性質を知った上で大切に扱うには、最初から大人と同じ物を使わせる考えには一理ありますね。
スプーンやフォーク、3歳以上クラスではナイフも金属製のものを使います。
キンダーガーテンのおもちゃや家具などもプラスチック製のものはほとんどなく、初期投資は高くても、質の良いものを大切に長く使うドイツ人の考えが表れているように思います。
誕生日は主役が周りをもてなす日
続いて、幼稚園生活を始めて最も目から鱗だったのが、ドイツの「自分の誕生日には、誕生日の本人が幼稚園(や学校、職場)にケーキを持っていき、周囲の人にふるまう」という習慣です。
「今年も誕生日を迎えられたのは、周囲の人たちに支えられたから。そんな人たちに感謝を示し、福を分ける」という意味合いがあるらしいです。
それは素晴らしい考え方ですが、子どもが小さいうちはケーキを作るのは当然親です。今はこんな状況なので手づくりケーキの持参は禁止、包装された物をお店から買ってきて持っていくというルールがあります。まぁこれも、もれなく親が用意しないといけないのですが。
とにかく私のように、ケーキはケーキ屋さんから買うものと思って人生の大半を生きてきた者には、なかなかハードルの高い習慣です。
また、今年の長男の誕生日は土曜日だったため、前倒しで金曜日にパーティーをする(ケーキやジュースを持っていけばいい)のかとキンダーガーテンの先生に聞いたところ、すごく驚かれてしまいました。
先生いわく、「誕生日前にお祝いすると早死にする、もしくは不幸になる」といった迷信があり、誕生日の前祝いは縁起が悪いそうです。
なのでドイツでは、誕生日よりも前にパーティーを開く、誕生日よりも前に「おめでとう」の言葉をかけるといった「前祝い」はしません。
誕生日当日にお祝いできない場合は、誕生日が過ぎてから祝うのがドイツの慣例なので、今年の息子の誕生日パーティーは月曜日にしてもらいました。
これまた「誕生日に遅れるよりは、先にお祝いをする方が良い」という感覚で生きてきた日本人の私には、興味深い習慣の違いでした。
いやしかし、会話の流れで「私、来週誕生日なの!」とか言われても、「ああそうなんや。おめでとう!」とは言えないこと、肝に銘じておかないと、、、うっかり条件反射で言っちゃいそうです。
今回はドイツの幼稚園生活での食べ物にまつわる話をさせていただきましたが、やっぱり食文化って面白いし奥が深いですね。まだまだ頭に浮かんできます。
あんまり海外旅行した気分にはなれなさそうですが、
最後に息子たちが通うキンダーガーテンの給食のメニューを載せておきます。
ちなみに、去年日本帰省で息子たちを保育園に通わせた時の給食は、
竹輪の磯辺揚げ、筑前煮、ひじきご飯、ほうれん草の白和え、大根の味噌汁、おやつにさつまいもの蒸しパンetc...
いやぁ、全く違って面白いですね。
これはきっとまた、食べ物テーマでブログを書かせてもらうことになりそうです。
では皆さま、安全で健康に、前向きに、この「世界中で我慢の時」をお過ごしください。