マイン川の真珠ミルテンベルク
冬が終わりに近づき、春めいた晴れの日が続くようになってきました。先日はテラスで日向ぼっこができるほど暖かくなり鳥の囀りも聞こえます。
ロックダウンが延長され、まだまだ旅行は厳しい状況ですが、いつかドイツ旅行をされる方に今回おすすめする街は、マイン川沿いにある小さな街ミルテンベルク(Miltenberg)。その美しい景観から、「マイン川の真珠」とも呼ばれています。
フランクフルトから南西に約80km、以前ご紹介したオーデンヴァルドとマイン川に挟まれた丘の町です。フランクフルトから鉄道でアクセスする際は、アシャッフェンブルク(Aschaffenburg)で乗り換えて1時間半ほどなので、日帰り旅行にぴったり!ちなみに、週末はヘッセン州からの観光客が多いそうです。私が訪れた日も(コロナ禍以前です)、日曜にもかかわらずドイツ人観光客が多くいました。
ローマ時代にすでにこの地に住民がいたとされますが、初めてミルテンベルクが古書に登場するのは1237年。ニュルンベルクとフランクフルトの交易路やマイン川に面した場所にあったことから、この街は重要な税関と交易の中心地として発展しました。また、貿易や手工業以外にも、ブドウ栽培、ワイン貿易、海運、木材・石材産業が栄えました。
ミルテンベルクの駅についたら、マイン橋(Main Brücke)を渡って旧市街に入ります。橋を渡り切った後に左側から街に入ると、最初にツーリストインフォメーションがある天使広場(Engelplatz)に出るのでおすすめです!そして、この広場から川と並行して歩行者天国となっている中央通り(Hauptstraße)が長く伸びています。
中でも際立つ建物がガストハウス・ツム・リーゼン(Gasthaus zum Riesen)。1590年に再建されたこのホテルレストランは、ドイツ最古のホテルの一つとされています。
石畳の中央通りは左右に木組みの家々が立ち並び、中世の街並みを思い起こします。
そして通りの先には中央広場(Marktplatz)があります。
中央広場には16世紀にルネサンス様式で建設されたシュナッターロッホ(Schnatterloch)という名の噴水があります。右奥にはカトリック教会である聖ヤコブ教会が目に入ります。教会を右手に見て、広場を左に進んでいくと、昔の城壁を見ることができます。この城壁の門の下に、実は「シュナッターロッホ」があります。大雨が降ると、水はこの壁を通り、排水路を通って広場へと流れます。この雨水用の溝が元々の街の境目だったことから、昔の「スネード(境界)」に由来して「シュナッター」と名付けられたそうです。
(ロッホ(Loch)は穴の意味です。)
城壁をくぐった先には、森が広がっています。森と城壁の間の道はブルグ通り(Burgweg:城の道)がこれまた中央通りを並行した形で伸びています。城壁と城の道があるということはもちろんお城(城塞)もあります!
豆知識
ご存知の方も多いかと思いますが、「城」を指すドイツ語は2種類あります。BurgとSchlossです。Burgは中世の城郭建築で主に丘の上に築かれたものを指します。それに対してSchlossはいわゆるお城。ルネサンス以降に平地や経済的中心地に築かれた居住性が高く装飾も煌びやかなものが多いです。
ミルテンベルク城は現在博物館になっており、中世からの歴史が学べたりや芸術作品の展示を見ることができるそうです。そしてここからの景色がお見事!マイン川を左手に、聖ヤコブ教会と街並みが一望できます。
ミルテンベルクは観光業に力を入れており、毎日14時からテーマに合わせた無料ガイドも行っているそうです。(今は休止中です。)中には、中世の衣装を着たガイドプログラムもあるみたい。なんだかタイムスリップしたようでワクワクしますよね!
まだまだ我慢の日々は続きますが、可愛らしいドイツの街を見て楽しい気分になっていただければ嬉しいです♪