旬のフルーツを楽しもう!【レシピ付き】
こんにちは。食いしん坊ライターの坪井です。前回は溺愛するシュパーゲル(白アスパラガス)について書かせていただきましたが、この時期のドイツには他にも旬の食材がたくさん。特にフルーツが豊富でおいしい季節です。
その筆頭が、シュパーゲルと旬の時期がほぼ同じの苺。
日本では、クリスマスケーキ需要で冬から出回り一年中見かける苺ですが、流通しているほとんどがビニールハウスで栽培されたもの。本来、露地栽培の苺の旬は春なんです。
ドイツでは苺は露地栽培が主なので、苺の季節といえば春から初夏にかけて。この時期にはドイツ産の小振りで甘みのある苺が、シュパーゲルとともに市場やスーパーの店頭に並びます。
近隣の畑で苺狩りが楽しめるのもこの季節ならでは(今年はコロナ禍で難しいですが…)。駅や街角には期間限定でシュパーゲルと苺を販売する屋台が登場し、ドイツの春の風物詩となっています。近郊の農家さんがやっていることも多く、評判のお店は週末ともなると行列ができることもあるんですよ。
旬の苺はそのまま食べてももちろんおいしいですが、今のうちにどっさりコンフィチュール(ジャム)を仕込んでおくと一年中フレッシュな味が楽しめて、ドリンクやデザートにも使えます。簡単なレシピを紹介しますので、安く手に入ったらぜひ作ってみてくださいね。
苺のコンフィチュールの作り方
苺の形を残したすっきりした甘さのコンフィチュールです。苺の半量以上の砂糖を使えば長期保存が可能なので、好みの甘さに調節してみてください。ジップロックや製氷皿などで小分けにして冷凍しておくと、デザートやドリンクを作る時に便利です。
材料(約4~5瓶)
いちご 1kg
砂糖 500g
レモン汁 1個分
作り方
1.苺は洗って水気をふき、へたをとる。鍋に苺、砂糖、レモン汁を混ぜ合わせて一晩置く。
2.1を強めの中火にかけ、アクを取りつつ焦げないように混ぜながら20分ほど煮詰める。
3.煮沸消毒した瓶にコンフィチュールを入れ、軽くふたをして瓶ごと約1分煮沸する(水分が入らないよう注意)。熱いうちにふたをきっちり閉めて、瓶を逆さまにして冷ます。
コンフィチュールはパンに塗って食べるほかにも、ヨーグルトやアイスにトッピングしたり、牛乳とバニラアイスを混ぜて苺シェイクにしたり、ヨーグルトを混ぜて冷凍庫で固めてフローズンヨーグルトにしたり、といろいろ楽しめます。
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苺のほかにも、この季節はおいしいフルーツがたくさんあります。
さくらんぼもそのひとつ。ドイツではトルコ産のものが多く流通しています。ちなみに世界中で作られている「黒い森のさくらんぼケーキ(シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ)」の故郷はドイツ。黒い森特産の蒸留酒キルシュワッザーを使うのが伝統です。このケーキ、見かけは可愛いらしいですが、かなりアルコールがきいた大人味なのでお酒が弱い人はご注意を。
そしてこの時期、私がしょっちゅう食べている果物が平べったい桃。
ドイツではPlattpfirsich(平らな桃) やBergpfirsich(山桃)と呼ばれ、スペイン産やイタリア産のものが多く流通しています。日本の桃のように甘みがあってジューシーで、皮が薄くそのまま食べられるほど。私は日本では見たことがないのですが、蟠桃と呼ばれる高級果物だとか。こちらでは安い時だと500g(5~6個くらい)が1ユーロほどで売られています。
ドイツでは格安スーパー勢力が強いせいもあり、全体的に食品が安価です。消費者としてはありがたい反面、こんなに安くていいのだろうか…?と心配になったりもしますが、ドイツには激安スーパーもあれば、市場や農家で地産の食材も買えますし、ビオショップやビオスーパーがあちこちにあったりと選択肢がとても豊富。それぞれの事情やライフスタイルに合わせて選べるのはいいことだなと思います。