パーティーシーズンはこれから
世界がベルリンに注目する理由の1つに、クラブの存在がある。
それだけに注目しているという人も少なくはないだろう。
大袈裟ではなく、街の環境そのものが、クラブやパーティーのためにインフラを整えていると言っても良い。
週末は24時間運行となる地下鉄やトラム、車内ビジョンは深夜になるとパーティー告知へと変わる。
ほとんどのクラブが駅から近く、シュプレー川沿いにはいくつも連なっており、全て徒歩圏内のため、ハシゴも余裕。
ラインナップに関しては言うまでもない。毎週フェス状態である。
それでいて、エントランスはどんなに高くても15€(約2,000円)アべレージにしたら10€しないだろう。
建物の外壁にはグラフィティの数々、中は薄暗く、奇妙な雰囲気で好奇心を抱かせる。
目印など出ていない分厚いコンクリートの固まりで出来た秘密基地は、最小限のライティングと構造と壁に反響されて
生まれた最高級の低音に包まれる。決して、キレイとは言えない廃虚同然の四角い箱たちは、何年もの間、
どっしりと構えながら、街の変化と共にそこに存在している。
ここ数年の急激な成長によって、観光地化が増し、おもしろくなくなったと言う人もいる。
今よりもっともっとクレイジーだった時代を見れなかったのは本当に残念だが、永久的に変わらないものなどないのだ。
ガラパゴスと化すのではなく、今と未来を楽しむ発想力が大事なのではないかと思う。
そういった点において、環境に屈することなく、変わらずパワフルな東京のシーンは素晴らしいと思う。
Berghain/Panorama Bar
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photo by Rieko Matsui
Club Der Visionaere
Photo by Hidekazu Nishikido
Griessmuehle
Watergate
(*上記はほんの一部です。自分が実際足を運び、撮影したところになります。基本的に撮影禁止のところが多いため、可能な写真のみで紹介しています。)
考えてみたら、ベルリンのサブカルに触れるブログなのに、メインとなるクラブやパーティー情報を
伝えていなかったことに気付いた。それと、夏の観光シーズンも終わり、平常を取り戻したベルリンのクラブを
改めて、じっくり味わいたいと思ったのだ。秋冬が本番?
最後に、
つい一昨日、LFOのMark Bellの訃報が舞い込んだ。
何年か前に幕張で観たのが最初で最後となってしまった。
ヨーロッパは、観たいアーティストがいつでも観れる環境下にある。しかし、アーティスト本人がこの世から
いなくなってしまえば、どこにいようが、二度と観ることは出来ないのである。
頭も身体もガチガチに固くなってしまう前に、もっともっと世界を見ておきたい。もっともっと出会いたい。
後悔のないように。
心からの弔意を表して、今回の記事に書かせて頂きました。