バウハウス旅ぐるめ3~ベルリン編
バウハウス100周年記念旅で出会った美味しいものたちを紹介する「バウハウス旅ぐるめ」シリーズ。ワイマール、デッサウに続きまして今回は終焉の地となったベルリンからお届けします。
ワイマールを追われた後、移転先のデッサウで最盛期を迎えたバウハウスでしたが、ここでも政治的圧力により閉鎖されることになってしまいます。3代目の校長ミース・ファン・デル・ローエは1932年にベルリンに移転し再建を試みましたが、ナチスの台頭によって翌年には完全閉校を余儀なくされてしまいました。
短い活動期間ではありましたが、バウハウス終焉の地となったベルリンには数多くのコレクションが残されています。それらはグロピウスの設計を基に建てられたバウハウス資料館で展示されていましたが、手狭になったため現在増築中。2021年には新たなミュージアムが誕生する予定です。それまでは別の場所に臨時ギャラリー「the temporary bauhaus-archiv」がオープンしています。
ベルリンはグロピウスをはじめ、ブルーノ・タウト、ル・コルビジェら建築界の巨匠が携わった20世紀の名建築の宝庫でもあります。ぜひ見ておきたいのが世界遺産に登録される6か所の「ベルリンのモダニズム集合住宅群」。市民に低価格で機能的な住宅を供給するために1913~1934年にかけ建てられた大型団地群では、現在も人々が暮らしています。
なかでもブルーノ・タウトらが手掛けた集合住宅「ブリッツ・フーフアイゼンジードルング(Britz-Hufeisensiedlung)」はとてもユニークな形をしていることで有名。なんと馬蹄形をしている団地なんです。
ベルリンの中心地に近いプレンツラウアーベルクにも、ブルーノ・タウトらが手がけた別の集合住宅「カール・レギエン」があります。
プレンツラウアーベルクはベルリンで最もカフェが密集するおしゃれエリアの1つ。あっちもこっちもカフェ、カフェ、カフェだらけで本当に星の数ほどあるんじゃないかと思うほど。世界中の旅行者がわざわざやってきて行列をつくる人気店もたくさんあります。
そんな人気カフェのひとつが、朝食専門のカフェ「クローネ KRONE」
ドイツはもともと朝食をたっぷりととる食文化がありますが、ベルリンではここ数年、朝食やブランチメニューに特化したカフェがブームになっていておしゃれな朝食専門店が増加中。なかには週末ともなると1時間待ちなんていうお店もあります。
この日の宿は、カフェ・クローネと同じ通りにあるホテル「オーダーベルガー」
市営プールとして使われていた古い建物を改装したというユニークなホテルです。昔はお風呂がない家庭も多かったため、プールは公衆浴場のような存在でもあったようです。
ドイツには歴史ある建物をいかしたプールがいくつも残っていますが、そのなかでもここは最も美しいプールの1つだと思います。宿泊客でなくても利用できるので興味のある人はぜひ!
プールだけでなく、客室やレストランなどすべてがかっこよくておしゃれ。朝食がこれまたすばらしかったです。ベルリン近郊で採れる食材や地元メーカーのドリンクなどがセンスよく並べられ、ベジタリアンやビーガン向けのメニューも種類豊富でどれもおいしくて大興奮。いやはや……あまりのおしゃれっぷりにクラクラしてきました。
私の中のおしゃれ許容領域がいっぱいになってきたため、そろそろ「おしゃれじゃないベルリン」(褒めてます。こっちも好き。)で中和させなければ、と夜はベルリン名物の王道、アイスバインを食べに行くことに。
博物館島とテレビ塔の間に位置する古き良きエリア、ニコライ地区に点在する郷土料理店を物色しつつ、ビール醸造所併設のレストラン「ゲオルクブロイ」へ。
オーダーして1分足らずで出てきた豪快なアイスバインは、じゃがいもと豆のピューレ、ザワークラウトがこんもりと盛られ思わず笑っちゃうほどのボリューム!自家製ビールと食後の蒸留酒が付いて13.40ユーロというお得なセットです。店員さんの素っ気なさも含め、なんだか落ち着く……(笑)
新しいものも古いものも、おしゃれなものもぜんっぜんおしゃれじゃないものも、ヒップスターもホームレスも人種も宗教も何もかもごちゃ混ぜに共存しているベルリン。この多様性が、私がベルリンにいて居心地よく感じる大きな理由のひとつなのだと思います。
振り幅大きいベルリンの過ごし方。どなたかの参考になったら嬉しいです^^