【今週のドイツ語】Schaulästige
昨日、毎年恒例となっている今年の漢字が発表されました。
今年は令和の「令」の字。多くの方が納得の1字だったでしょうか(?)。
ドイツでも、毎年同じようなことが行われていて、Wort des Jahres (今年の言葉)が選ばれます。
そこでノミネートされた10個の言葉の中から1つを今日は紹介します。
Schaulästige
シャウレスティゲ
この言葉は、もともとSchaulustige(シャウルスティゲ)という言葉を文字って生まれた造語です。後半部分のlustige が lästige に変わっています。
もとになるSchaulustigeは、単語の前半 Schau は schauen(シャウエン)「見る」という動詞から、そして後半 lustige は lustig(ルスティヒ)「面白い」という形容詞 の名詞形で、何かを面白がって見ている人々のこと、つまり やじ馬 を意味する言葉です。
例えば大きな事故の現場に集まっている人々や、大道芸人のショーなどを歓声を上げながら見ている人たちのことなど、様々な場面でのやじ馬を指します。
では lustig を lästig に変えるとどうなるでしょうか。
lästig とは邪魔になる、厄介な、という意味の形容詞で、lustig「面白い」が lästig「邪魔になる」になるだけで言葉にとてもネガティブな意味が加わります。
そんなSchaulästigeとは、特に現代、例えば事故や火災の現場など緊急の救助活動が必要とされている場所に集まり、スマートフォンで撮影をしたりして救助活動の妨げになっているやじ馬のことなのです。
このような社会問題を背景に誕生した言葉 Schaulästige 「邪魔な、迷惑なやじ馬」が、今年の言葉第4位となりました。
今週のドイツ語
©ドイツ大使館