【今週のドイツ語】Alter Schwede
今日紹介するのは
Alter Schwede
アルター シュヴェーデ
alter は、語尾変化していますが形容詞のaltで、年老いた、古い、という意味(英語のoldです)
Schwede は スウェーデン人男性 です。 (スウェーデン人女性はSchwedin)
つまり、年老いたスウェーデン人??
こんな表現、一体いつ使うのでしょう・・・
実は、何かに驚いたときに「うわっ、びっくりした!」という意味で口をついて出る表現なのです。
例えば、親戚に10年ぶりに会ったら、「うわーびっくり!大きくなったねー!」と言われたりしませんか?
こんなとき "Alter Schwede, du bist ja groß geworden!"と言われるわけです。
では何故驚いたときにスウェーデン人おじさんが突然出てくるのでしょう。
実はこの言い回しの歴史は古く、三十年戦争(1618-1648) までさかのぼります。
長い30年の戦争の中で苦戦を強いられたプロテスタント側。(三十年戦争の対立軸の1つにカトリック対プロテスタントがありました)
そこで三十年戦争終結後、プロイセン公フリードリヒ・ヴィルヘルム(大選帝侯)は、当時非常に強い軍隊を持っていたスウェーデンから、経験豊かで優秀な元兵士たちを自国の軍隊の指導者として招聘しました。
彼らはプロイセンの兵士たちと非常に良好な関係を築き、軍隊も成長しました。
この業績から、スウェーデン兵たちはプロイセンの男性らから大変愛され憧れられる存在となり、尊敬の意味を込めて"Alter Schwede" と呼ばれるようになりました。
こうして三十年戦争から約400年が経過した今でも、男性に対して 感心・感嘆したときに Alter Schwede、さらに転じて、何かに驚いたときに Alter Schwedeと言うようになったのです。
いくつか日常で使うシチュエーションを例に挙げると
・Alter Schwede, heute ist es aber heiß! (うわー!今日は暑いね!)
・Alter Schwede, da hast du dir beim auswählen des Omiyage wirklich Mühe gegeben! (びっくりした、お土産選び本当に大変だったでしょう!←素敵なお土産をもらってとても喜んでいる状況。)
・Alter Schwede, du verträgst aber viel Sake/Bier. (驚いたー、君はたくさんお酒/ビール が飲めるんだね!)
今週のドイツ語
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