ドイツ最北東のワイン産地 ザクセンのワイナリーめぐり1【ホーフレスニッツ】
ドイツのワインはおいしい!(ビールだけじゃない!)
ドイツの飲み物といえば?と尋ねたら、おそらくほとんどの人が「ビール!」と即答することでしょう。それほどドイツビールのおいしさは有名です。
ですが、ここであらためて声を大にして言いたいことが。
ドイツはワインもおいしいんですよーっ!!
そんなこと、ドイツ通やワイン好きの方ならすでにご存知だと思いますが、日本ではいまだに「ドイツワインは甘い。」というイメージを持っている人が多いようです。
ドイツにはもちろん甘いワインもありますが、普段飲まれているのはほとんどが辛口ワイン。アイスワインなど極甘口のワインは高価で特別なものです。
でもなぜか日本人旅行者がドイツで買い求めるのは甘口ワインが多い、とワイナリーの方が不思議がっていました。
ドイツ人はいつもビールばかり飲んでるわけではなく、ワインもよく飲みます。統計によると、ドイツではビールよりもワインのための出費の割合が多く、その差は年々大きくなっているそうです。
この10年あまりで若手のワイン醸造家が増え、ドイツワインの品質がぐんぐん向上していることがワイン人気の大きな理由のひとつ。ワインの名前やエチケット(ラベル)のデザインもパッと目を引くようなおしゃれなものが多くなり、「ドイツワインの新時代」が感じられます。
ドイツ最北東の生産地~ザクセンワイン
ドイツには全部で13地域のワイン生産地があります。 そのなかでドイツ再統一後に加わったのが旧東ドイツだったザーレ・ウンストルート地方とザクセン地方。日本ではなかなか馴染みがないワインですね。
それもそのはず、この2地域は生産地域が小さいため、日本どころかドイツ国内でも地元以外ではほとんど販売されていない希少価値の高いワインなんです。
つまり、この地方のワインを飲みたければ地元へ行くのが一番。
というわけで、今回はザクセン地方のワイナリーめぐりに行ってまいりました!
ザクセン地方はドイツの最東北に位置するワイン生産地。ドレスデンとエルベ川渓谷を中心に、南のピルナから北のマイセン近郊まで約60kmにわたって美しい景観のザクセン・ワイン街道が続いています。
このあたりは大陸性気候ながらも温暖で降水量も充分あり、ぶどう栽培に適しているのだそうです。栽培されているぶどうは主にミュラー・トゥルガウ、リースリング、ヴァイスブルグンダーなどの白ワイン品種。
現在ザクセンだけで栽培されている「ゴルトリースリング(ゴールドリースリング)」(リースリングの交配種の1種)という名産品種もあります。“金のリースリング” なんて名前からしてすごすぎる……これはぜひとも飲んでみたい!
そんな期待を胸に、いざザクセンへ!
ホーフレスニッツ醸造所を訪ねて
ドレスデンを拠点にして、まず向かった先は隣町のラーデボイル。 ドレスデンからアクセスしやすいラーデボイルには優良なワイナリーがあり、観光客も楽しめる人気スポットになっています。
普通の電車でも行けますが、私たちは蒸気機関車「レスニッツグルントバーン」に乗車。森の中を走るレトロなSLにますます旅情をかきたてられました。
★この蒸気機関車で人気観光スポットのモーリッツブルク城にも行けるので、ワイナリーとセットで訪れるのもおすすめです。
ラーデボイルに到着し、まずは創業1401年の市営ワイナリー「ホーフレスニッツ Hofl össnitz」を訪問。ここはザクセンワイン街道の観光案内所も兼ねているので、情報収集をしたりザクセンワインについての知識を得るのに最適の場所です。
ホーフレスニッツは第二次世界大戦後「旧東ドイツの国民醸造所」となっていましたが、東西ドイツ統一後に市営に戻されたという歴史を持つ醸造所。 1998年からビオ栽培をしている、旧東ドイツで最初のビオワイン醸造所でもあります。
広い敷地内にはザクセンワイン博物館があり、800年以上にわたるザクセンのワイン造りの歴史を知ることができます。 ワインショップではホーフレスニッツのワインはもちろん、ザクセンの他の約30醸造所のワインも購入可能。奥のショールームでは各醸造所の紹介があり、地図や写真、実物ワインを使ったとてもわかりやすい展示になっていました。
敷地内にはレストランもあり、ワインやゼクトとともにフラムクーヘンなどをいただけます。 この日はお天気も良く、テラスで絶景を眺めつつ、ゼクトやワインとともに美味しい軽食を楽しみ、ゆったりと贅沢な時間を過ごすことができました。
バラ色に輝くゼクトのまろやかで軽快な味わいに酔いしれ、身も心もゆるんでいい気持ち。ああぁ、このままここにいたい……けれど時間が許さず(涙)
次の任務(ワイナリー)へ向かいます…… 続きは次回で!
■ホーフレスニッツ醸造所 公式サイト