区役所と郵便局
「ハーフは大変だ」ということをこれまで沢山書いてきましたが、たまには明るく笑い飛ばすことも大事。
先日、ある方のエピソードを聞いて、笑いも大事だな、人に寛容にならないといけないな、と考えさせられました。それは仕事仲間である50代の日本人男性と食事をしていた時の話なのだが、
私はその人に、前に書いた「区役所」の話 (印鑑証明書が必要で、ちゃんと区役所で印鑑証明書のカウンターに並んだのに、私の番になったら、私が外人顔のため「外国人登録書はアチラですよ」と言われた、というおなじみの話) をしてみた。
そうしたら、その人に「サンドラはハーフは不便だって言うけど、僕も不便エピソードあるよ」と言われた。私は「どんな話ですか?」と言いながら期待しないで聞いていたら、「僕、郵便局で列に並んでいたら、郵便局の人に『年金ですか?』って聞かれた。切手、買いに来ただけなのに…」って。
不覚にも大笑いしてしまった。彼は白髪のため、郵便局の人に当たり前のように「年金」の案件だと思われてしまったようだ。これは、本当は印鑑証明がほしくて、区役所で印鑑証明書のカウンターの列に並んでいるのに、自分の番になった途端に、ガイジン顔のため「外国人登録証の更新はアチラですよ」と言われてしまうハーフと、とても似ている話ではないか。
ちょっとした「早とちり」や「勘違い」って怖いですね…。
誤解されるのはもちろんハーフに限った事ではないんですよね。「国」以外にも、年齢や性別、色んな事で誤解や勘違い、早とちりが世の中では常に起きている。
そんなことを笑いと共に考えさせられたヒトコマでした (この切手と年金の話、大きな声で笑ってしまいました…失礼しました)。
自分自身も他人のことを早とちりすることもあるし、お互いに寛容にならなければいけない部分はあるよなあ、なんて思ったのでした。
でも甘い考え方かもしれないが、軌道修正する意思があれば、自分の早とちりや勘違い、そして思い込みさえも、良い方向に訂正できると思うのです。
皆さんは誰かに勘違いをされたエピソード、または自分自身が勘違いをしたエピソードはありますか?
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サンドラ・ヘフェリン
ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴 13年、著書に「浪費が止まるドイツ節約生活の楽しみ」(光文社) など 5冊。自らが日独ハーフであることから「ハーフ」について詳しい。ちなみにハーフに関する連載は月刊誌に続き今回が 2回目である。趣味は執筆と散歩。目黒川沿いや碑文谷をよく散歩している。