ハーフだと不便なことPart3
ハーフだと区役所での手続きに不便が生じること について、そして職務質問されるハーフ についても前に書きました。でも実際には不便なことはまだまだあったりします。今回は不動産屋さんでのお話です。
ハーフだと不便なこと: その7
〜不動産屋にて〜
外国人風の顔立ちをしたハーフにとって、日本の不動産屋さんに足を一歩踏み入れるのはもの凄く勇気のいることだったりする。
東京でも勇気がいるが、少し東京から離れた場所や、日本の地方都市や田舎だと更に勇気がいる。
やはり、ハーフが不動産屋さんのドアをバッと開けた時に流れるあの微妙な空気が大きい。ドアを開けた途端、担当者と目が合えば「あ!」という顔をされる。それはつまり「あ〜、、、厄介なのが来ちゃったなー」という顔だったりする (笑)
物件の具体的な話まで行きつく前に「外国人ですとウチはちょっと難しくて」と言われることもあるが、不動産会社の担当者自身は協力的であっても、「ウチは外国人でもかまわないんですけど、やっぱりこのマンションの大家さんがですね…モニョモニョ(←要は大家さんが外国人を住まわせたくない)」と言われることもある。実際、「外国人、ペット、水商売はお断り」のマンションも少なくない。
ハーフは日本国籍を持っている事も多いけど、外国人風の容姿というのは厄介なもので、国籍の話になる前に、容姿がジャマをしてコトがスムーズに進まない事もある。不動産屋さんに限った事ではないけれど、やっぱり多くの人が容姿を基準に人を「外国人か、それとも日本人か」と判断することが多いからだ。
でも不動産めぐりにあたって、最近というか、ここ何年かは私も「コツ」をおぼえた。そのコツとは…
1. 不動産屋さんのドアを開けたその瞬間からしゃべりながら中に入っていくこと。「どうもどうもー。先ほどお電話させていただいた渡○ですー」と話しながら入ること。その際、不動産屋さんのドアを開けたその瞬間から、担当者のいる席につくまで、ずーっと話し続けていることがポイント!
※注:上記の「渡○」とは私の日本の苗字です。
2. 担当当者が私のガイジン顔を見て、「ヘッ?!」という表情をする前に、サッと「こちらが名刺です」と即、名刺をお渡しすること!
つまり担当者にあまり考える時間をあたえない、という作戦なのでした(笑)
電話をした際に伝えた私の名前「渡○○美」と、顔(ガイジン顔です)があまりにも一致しないため、最初は「え?!」という顔をしている不動産担当者ですが、ぺラぺラと日本語をしゃべり続けられると、そして会社名の入った名刺を渡されると「…ま、いっか」と思ってくれることが多いようだ。担当者が「ま、いっか」という表情になったら、しめたもの。
これ、実は不動産屋さんに限らないことなのかもしれない。相手にアレコレ考えさせるヒマや隙をあたえないのも1つの作戦なのかもしれない(笑)
ハーフがスムーズに日常生活をおくるには至るところで「作戦を練ること」が必要だったりする。
ハーフであるという事はアタマを使う作業なのだ(苦笑)
…というわけで今後もよろしくお願いいたします。
★コラム 三十路ハーフ、四十路ハーフの悩み もご覧いただけると嬉しいです。
サンドラ・ヘフェリン
ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴 13年、著書に「浪費が止まるドイツ節約生活の楽しみ」(光文社) など 5冊。自らが日独ハーフであることから「ハーフ」について詳しい。ちなみにハーフに関する連載は月刊誌に続き今回が 2回目である。趣味は執筆と散歩。目黒川沿いや碑文谷をよく散歩している。