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ドイツ映画「5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生」試写会レビュー

Bayerischer Hof / Königssaal. Die neuen Auszubildenen werden ihren Stationen zugeteilt. Sali (Kostja Ullmann) Max (Jacob Matschenz)

ドイツ映画「5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生」試写会レビュー

こんにちは、wasabi( wasabi_nomadik)です。

みなさん、お正月はいかがお過ごしですか?そろそろテレビにも飽きてきた頃でしょうか。

 

そんなみなさんにおすすめしたい、お正月明けにぜひ観ていただきたいドイツの映画があります!その名も「5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生」です。

 

実は11月日本に帰国中、この作品の試写会にお呼びいただき一足早く作品を鑑賞してきました。私はこの映画の存在を知らなかったのですが、試写会ですごく感動したとともに、ドイツに興味のある方は必見の映画だと感じました。そこで今日は私が考えるこの映画のおすすめポイントをシェアしたいと思います!

 

5%しか視力が残っていない青年が五つ星ホテルのボーイを目指す実話に基づいたストーリー!

この映画の舞台は美しい英国式庭園が有名なドイツ・ミュンヘン。主人公の青年サリヤは成績優秀で聡明な未来ある少年でしたが、ある日突然先天性の病を患い、視力の95%を失います。しかし彼にはミュンヘンの5スターホテルでボーイになるという「夢」がありました。

Bayerischer Hof/Falk Bar/Restaurent Kleinschmidt verdonnert Sali zu einer Extra-Schicht. Gläser putzen. Sali (Kostja Ullmann) Kleinschmidt (Johann von Bülow)

Bayerischer Hof/Falk Bar/Restaurent
Kleinschmidt verdonnert Sali zu einer Extra-Schicht. Gläser putzen.
Sali (Kostja Ullmann)
Kleinschmidt (Johann von Bülow)



最初は盲目であるということを隠さずに就職活動をしていましたが、やはり障害者の雇用には高いハードルが立ちはだかります。ジョブセンターに行っても簡単な仕事を勧められるだけです。

 

そこでサリヤは自分の目のことを隠して、憧れのミュンヘンのホテルへインターンシップの応募をします。すると、彼の努力も叶って面接をこぎつけ、力技で合格してしまうのです。しかし、やはり盲目のまま仕事を覚えるのは苦難が伴います。

Restaurent Max Vater. Sali und Max besoffen in dem Restaurent. Sali (Kostja Ullmann) Max (Jacob Matschenz)

Restaurent Max Vater.
Sali und Max besoffen in dem Restaurent.
Sali (Kostja Ullmann)
Max (Jacob Matschenz)



そんなハチャメチャな研修生活を支えてくれるのは、ホテルの面接時に友達になったマックス。ちょっぴりワルなマックスと協力して研修を乗り切っていく様子、そしてサリヤとシングルマザーの恋。さまざまな人間模様とドイツの今が見える、実話に基づいた映画なんです。

 

ドイツ映画らしくない、笑って泣けるドイツ映画!

この作品を私がおすすめする1番の理由は「ドイツ映画らしくない」からです。笑

Bayerischer Hof/Falk Bar/Restaurent Kleinschmidt verdonnert Sali zu einer Extra-Schicht. Gläser putzen. Sali (Kostja Ullmann) Kleinschmidt (Johann von Bülow)

Bayerischer Hof/Falk Bar/Restaurent
Kleinschmidt verdonnert Sali zu einer Extra-Schicht. Gläser putzen.
Sali (Kostja Ullmann)
Kleinschmidt (Johann von Bülow)



ドイツ映画って、なにかと暗くて重い歴史をテーマに扱ったものが多いイメージがあるのですが、この映画は人間味あふれるストーリーと「人生で大切なもの」とはなにかを気づかせてくれるような、観た後に気持ちが明るくなるような作品なんです。ドイツ映画の暗いイメージをぶち壊す、爽快でエンターテイメント性溢れる作品に仕上がっています。

 

シングルマザーや難民...ドイツ社会の「今」が切り取られている

Sali (Kostja Ullmann ) mit Laura (Anna Maria M¸he) und ihrem Sohn.

Sali (Kostja Ullmann ) mit Laura (Anna Maria M¸he) und ihrem Sohn.



在住者の目線から観ても、共感できるところがたくさんあって興味深い作品でした。たとえば主人公サリヤが恋をしたのは子持ちのシングルマザー女性です。ドイツでは片親の家庭人口が1996年以来増加しており、私の住んでいるベルリンは片親の人口が1番多い「片親首都」なんです。この話の舞台はミュンヘンですが、日常的にベルリンでこの映画のストーリーのようなカップルを目にするので、なんともドイツらしいな〜というか、ドイツ社会の今が切り取られているように感じたのでした。

 

ホテルのレストランで働く難民が登場人物として出てきたのも興味深かったです。その難民の彼は本当は自国で医者として働いていたのですが、ドイツに来てから諸々の申請プロセスが滞りなかなか自分のやりたい仕事に就けずに仕方なくホテルのレストランで働いているという状態。

 

ドイツ語で書かれた書類を毎回サリヤに見てもらうというシーンがあるのですが、私も移民として同じような状況になったことが何度もあるので共感しまくりでした。

 

これも本当にドイツの今を映し出しています。ドイツでは難民を受け入れる役所がキャパオーバーでプロセスに大きな遅延が発生していて、彼のような状況の人がたくさんいます。そういったシーンが盛り込まれているのは本当にリアルですし、ドイツ社会の今の雰囲気を知るという意味でもこの映画はすごくためになると思います。

 

「5パーセントの奇跡」の翻訳とキャッチコピーに感動

この映画の原題は「Mein Blind Date mit dem Leben(My Blind Date with Life)」、日本語直訳で「ブラインドデートと人生」という意味です。原題はラブストーリーの方に比重が偏っているような響なのですが、ぶっちゃけ「5パーセントの奇跡」という翻訳タイトルの方がこの映画にしっくりきていると感じました。翻訳者目線だとこういうところに大きな感動を覚えますね。

 

キャッチコピーもいちいち秀逸なんですよ。「ぼやけた明日が、輝きだす」とかね。良い翻訳者やライターに恵まれた作品は本当にラッキーです。ぜひいろんな方に見ていただきたい作品です!

 

1月13日(土)ロードショー!

 

「5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生」は1月13日より新宿ピカデリー、角川シネマ有楽町ほかで上映開始です。新年にふさわしい、すがすがしい気持ちになれる映画なのでぜひチェックしてみてくださいー!

 

【公式サイト:http://5p-kiseki.com/

 

wasabi

1991年7月1日生まれ東京出身。(本名:藤沢祐子)2014年獨協大学卒業後、新卒でフリーランスの日英翻訳家/ライターとして2015年春にベルリンに拠点を移して活動。現在は翻訳家・ライターとして各種メディアやブログを中心にドイツ移住情報やテクノロジーを使って楽しく生きる自身のノマドなライフスタイルやオピニオンを発信中。2016年2月にはTEDx Youth@Kobeへの登壇も果たし、自身のメッセージを国内外共に精力的に伝えている。

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