祭りのこと
ヴルストマジパン。ドイツ×ドイツな、まさにこの国らしいお菓子。
ご無沙汰しております。T.Yです。帰国まで後二十日もないことに驚きを隠せないでいる今日この頃です。石川君と同じく、他の皆さんより全く勉強もしていなければ上昇志向もない自分にショックを受けましたが、自分が知らない世界は確実に見ることが出来て、己を見つめなおす大きなきっかけにはなったと思います。その事だけでも私の人生に大きなものをもたらしてくれたのではないかと考えています。
さて、久々に書くブログのテーマは「祭り」です!
以前にも書いたと思いますが、夏を迎えたドイツの開放感はすさまじく、ほぼ毎日と言ってもいいレベルで至る所でお祭りやらパーティーやら開催されています。
今回は、私が足を運んだ様々な祭りについて紹介しようと思います!
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①Volksfest
五月中旬に行われた、地域定着型の伝統的なお祭りです。宗教での祭りや春や秋のお祝いなど、地域地域によって異なった祭りの開かれ方をするのだそう。
ジェットコースターやお化け屋敷など、移動遊園地もありました。これら全てのアトラクションを一から組み立てるんですから、ドイツ人ってすごいですよね。
イメージ的には、ドイツ版オクトーバーフェストをもっともっと小さくした感じと言えば伝わるでしょうか。勿論、ここにもビアガーデンは常設です(笑)
私は、この祭りにスタムティッシュの仲間たちと行っていました。その日は開催初日で、ドイツでおなじみ爆竹花火(笑)がばんばか打ちあがっていました。音はうるさかったですが、綺麗でした。しかし、やはり日本らしい風情は欲しいもんです。
祭りの空気にあてられ、テンションの上がった日本人ズ+ドイツ人は、その勢いのままちょうど同じ日に開催されていた「グラスハウス」という名の大学内にあるライブ会場兼バーでのカラオケ大会にお邪魔してみました。
ドイツ(ヨーロッパ)のカラオケは、個室&身内のノリでわいわい歌う日本と違い、舞台に立って人前で堂々と歌いまくります。酒に酔いすぎて音程を外しまくっても、歌詞を度忘れしてもお構いなし!聴衆はそれを聞きながら、思い思いにダンスを繰り広げます。
あまりに日本と違うカラオケスタイルに、ずっと笑いが止まりませんでした。これスナックじゃん!歌下手くそな社長おじさんがマイク離さないあれじゃん!www(偏見)
けれどここでのカラオケは、舞台の横で音楽を流す作業をしているDJのような人に歌いたい曲をリクエストして歌唱エントリーをするので、マイクを離さない人は絶対に出ません(笑)
私的に一番驚いたのは、ドイツ人が歌っている曲が、母語のドイツ語の曲より英語のものの方が多かった事です。これが今のドイツの若者のトレンドなんでしょうね。英語かっこいい。分かる。でも、ドイツ語もかっこいいと思うのは私だけでしょうか。
ドイツ人の女性二人組がNenaの"99 Luftballons"を歌っていたので、個人的には知っているドイツ語曲を聞けてとても満足でした。(この曲はドイツ語であるにも関わらず、日本でとても有名になったもの。皆さんも絶対に一度は聞いたことがあると思います。"99 Luftballons" もしくは「ロックバルーンは99」で検索!)
日を改めて、スタムティッシュでまたこのお祭りを訪れました。(前回のは自発的な集まりでした)
その時にチキン食べました。そして、夏に飲むと美味しいシャーベットジュース。シャリシャリで爽快です。
②町中でやっていたお祭り(?)
バイロイト一の大通り、マクシミリアンシュトラーセで開催されていたお祭り?みたいなものです。
私は所用で街を訪れた際に偶然出くわしたので、これがどういう経緯で行われたのかはよく分かりません(笑)
しかし車いすの方々のための遊びやコーナーみたいなものがあったので、もしかしたらその支援団体が主催していたのかもしれません。
パブでよく見るサッカーのゲーム(名前分からない)、等身大版。駒の代わりに人間。私が見始めた時はもう終盤でしたが、なかなか白熱した試合だったようです。
コンサートみたいなのもやってました。綺麗な歌声でしばらく聞きほれていました。ちなみに最初の写真で分かるかと思いますが、ここにもビアガーデンは常備(ry
③Klassik Open Air 2017
これもマクシミリアンシュトラーセで行われていたものです。今までのお祭りとは違い、これは場外しかも無料で音楽隊がクラシックを演奏してくれるという、音楽好きにはたまらない催しでした。
ご覧ください、この人の多さ!ずっと前の方に舞台があるのですが、写真に移せないほど客席が長い。いや、そもそもそれなりの客席は用意されていたのですが、それ以上に人が来てしまっていてこのようになってしまったのです。遅く来た人はもう正規の席に座れない事を分かっていたようで、自分の家からマイ椅子やレジャーシートを持ってきて座るという裏技を発揮していました。大都市ではないバイロイトだからこそ出来ることでしょうね。
端から撮影。この時のオーケストラは、バンベルクの有名な楽団でした。あまり知っている曲はありませんでしたが、なかなか日本では聞けない生&プロのオーケストラの演奏はとても素晴らしかったです。こんな風に気軽にクラシックを聴けるドイツの文化環境の高さは、うらやましい限りです。
勿論ここにも、ビアガーデンは(ry
④映画祭
これは、バイロイト大学で行われていたお祭りです。大学には中央に大きな円形の広場があるのですが、そこに大きなスクリーンが設置され、映画が上演されていました。その周りには少しではありますが、ちょっとした屋台も設置されていて、観客はポップコーンやビールを食べたり飲んだりして、思い思いに楽しんでいました。私はその時、広場近くの図書館にこもって勉強していたので遠目から眺めているだけでしたが、建物内にいても映画の爆音は聞こえてきました(笑)
映画の題名は、確か"Dr. Strange"だったでしょうか。私にはまったく聞き覚えがなかったのですが、どなたかご存知でしょうか。
勿論、さっきも書きましたがビールの屋台は(ry
⑤クナイぺでのジャズコンサート
これは、バイロイトのクナイぺのビアガーデンで行われたコンサートです。隔年開催だそうで、バイロイトに来て長いとある日本人学生さんは去年も来たと言っていました。ここで歌っていたジャズグループは結構有名らしく、多くの人がジャズミュージックをBGMに出来る特別な夜を求めてクナイぺに詰めかけていました。
席が遠すぎて、舞台が写りませんでした(笑) でも人の多さはわかってもらえると思います。ジャズの独特のメロディーに耳を傾けながら、皆と喋ったり飲んだりするのは最高でした。
ここはビアガーデンなので、ビールのことは言わずもがな。
⑥Bürger Fest
「市民祭」と名付けられた、マクシミリアンシュトラーセ一帯で行われた大きなお祭りです。wikiによると、「ビールフェストとワインフェストと移動遊園地が組み合わさった、ドイツの大規模な祭り」だそうです。一番大きいBürgerfestは、ミュンヘンのものだとか。行ってみればよかったなあ。
これも地域に根付いた伝統的なお祭りで、各都市によって規模や屋台の種類などの特色があるそうです。現にバイロイトには、移動遊園地はありませんでした。
バイロイトでは、七月七日から九日までやっていました。ちょうど今年が祭りを始めて四十年目の節目だったそうです。
イギリスやスペイン、イタリアなど各国の料理が出て来る屋台の集団を発見。イタリアのハム・ソーセージプレートとイギリスのチップ&フィッシュを、バイロイト大学で研究している日本人の方に分けて頂きました。ごちそうさまでした。
生演奏。またこれが祭りの雰囲気を盛り上げてくれます。
こちらは若者向け会場。舞台に上がったアーティストがラップを歌っていました。
中央通りを少し外れたところでも、この人の多さ。この祭りの影響力の大きさを実感します。
勿論、ここにもビアガーデン(ry
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いかがだったでしょうか?前回ブログを掲載してから、バイロイトにはこんなにもたくさんのお祭りがあったのです!
しかし、多くのお祭りを見てきて思ったことが一つ。
≪≪ドイツの祭りって、大体やってること同じだな!!!≫≫
本当に、これにつきます。
祭りの趣旨が違っても、屋台の種類や催し物は大体一緒。ビアガーテンとブルストなどドイツ伝統の料理やお菓子が売られている店、そしてオーケストラやアーティストの生演奏。ドイツの祭りは、ほとんどこれらで成り立っているといっても過言でないと思います。規模が大きいか小さいか、違いなんてそんなものぐらいじゃないでしょうか。
いや別に面白くない訳ではないんですけどね。でも、もうちょっと多様性があればいいのになあと思ったりするのは私のわがままでしょうか。それともこれがドイツの合理性なんでしょうか。
まあ内容が単調であることの是非はおいておいても、やはりお祭りというものは楽しいものです。仲間と一緒に行くとさらに楽しいです。きっとドイツでお祭りがたくさん開催されるのは、家族や友人と楽しい時間を多く共有できる場を作るためなのだろうなというちょっと心温まるような想像をしながら、今回はここで締めようと思います。今回も長文になってしまいましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました。皆さんも是非、夏にドイツに来たら、大事な人達とお祭りに参加してみて下さいね。
追記:帰国三日前に、なんとドイツで名高いバイロイト音楽祭にいけることになりました!バイロイトで研究なさっている日本人の方(Bürgerfestの方とは別の人)が、学生でも払える安いチケット(大体50€)をとってくださいました。ありがとうございます。今からとてもワクワクしています。日本に戻ってから音楽祭のレポートを掲載する予定なので、皆さまお楽しみに!
T.Y 15.07.2017 11:33