正しいモノレールの街(ドイツの鉄道)
どうもこんにちは。Bonn留学中の石川です。
こんなキラキラクラブを発足させて早6ヶ月。ついにやりました...はい、この前鉄道ファンの方々の聖地の一つヴッパータールに行ってきました。乗っちゃいましたよ乗っちゃいましたよv(。・ω・。)キャハハ(勝者の笑み)いやー大使館の方にされた「ドイツ行ったら何したい」という質問の答えをついに実現できました。
キョトンとした方も大分いらっしゃるかと思うので説明するとヴッパータールには「ヴッパータール空中鉄道」 "Die Wuppertaler Schwebebahn"という世界初の商業用のモノレールがあります。産業革命がかなり遅かったり鉄道の近代化が早く進んでしまったため、鉄道に関する歴史的な遺産がイギリスとかと比べて少ないドイツでも世界的に有名な鉄道遺産の一つです。
モノレールについて気になる方はヴッパータール交通局のホームページにも詳しい情報と展望動画が載っています。こちら
開業は1901年と100年以上の歴史を持つにもかかわらず、現在も通常運行で、2015年からは新型車両の導入など交通機関としての役割もきちんと担っているすごいモノレールです。私の地元は箱根登山鉄道や江ノ電みたいな観光鉄道で食っていると半分思うので少し対抗心...
そんなヴッパータール。ボンから普通列車で1時間半。デュッセルドルフから30分ほどのかつてBayer社も本社を構えていた産業都市です。電車で乗っていたら見慣れない構造物が川の上に...そう、これが
モノレールの軌道です。日本のモノレールと比べてゴツいですね。
DBの中央駅からモノレールの中央駅までは少し歩きますが、すごい人の往来が激しく、いかにこの交通機関が地域に密着しているかが伺えます。
モノレール、一応地域交通と位置付けられているので、ノルトライン=ヴェストファーレン州の大学に通っている生徒は全員無料。でも乗るときは少しヒヤヒヤしました。日本だとちょっと普通の電車と比べて運賃が高くなりますからね...
3〜4分間隔で運行されているドイツらしからぬ過密っぷり。ホームには最新型の車両がありました。でも鉄車輪がむき出しなのはドイツっぽい。開発者の名前をとって「ランゲン式」と呼ばれているそうです。本当に普通の電車の台車を片側だけ取ったみたいな感じです。
早速乗り込んでみましたが、割と混んでいました。最新車両は座席も木製でちょっと北欧な暖かな雰囲気。
思ったより滑らかな走りで急カーブを曲がっていくのは、下にレールも何もないこともあってちょっとスリリングでした。
産業革命で人口が増加したヴッパータール市内のスペースを確保しつつ、鉄道を走らせたいというアイデアに基づいて作られたこの交通機関は、路線の大半がヴッパー川の上に沿って作られています。だから下を見れば川が...これもまたちょっと怖い...
あと駅に停車するとずっと揺れ続けています。電車にも"Vorsicht beim Aussteigen Bahn pendelt"(電車は揺れますので降車時には注意してください)という表示がされています。本当に振り子みたいにグラングランしていました。
駅にはドイツの撮り鉄系の鉄道マニアさんも。さすがヴッパータール。目でご挨拶して交代してループ線を撮ります。終点でループしてまた運行。ドイツではよくある運行形態で、右側しかドアがありません。
旧型の車両も発見。レトロでちょっと可愛い。
やっぱりこういう眺めがいい交通機関は運転席の真後ろに陣取って撮りたいもんだと始発から撮り続けていました。そしたらすごい迫力。空中を颯爽と街を走り抜けるのは他の交通機関にはない魅力ですね。しかし運用コストの高さもあってこのシステムはあまり普及せず、現在ドイツにはこれを含めて4路線しかモノレールがありません。少ないからこそ「ヴッパータールといえばモノレール」というイメージがあり、町の人もこの珍しい鉄道を大切にしてちゃんと日常生活に取り込んでいるのだなという印象でした。
お土産はデュッセルドルフで食べた日本食と、誰もいなくなったのを見計らって録音した最新車両フォスロ社製Generation 15のモーター音とちょっと気が抜けたドア開閉音でした。登坂するときも静かだったのはさすがドイツですね。眠る前とかに環境音みたいな感じで聞いています。
ヴッパータール。日本でも公演を行っている「ピナ・バウシュ ヴッパータール舞踏団」の本拠地として有名です。デュッセルドルフからも近いので日本食を食べたついでにちょこっと寄ってドイツのある意味貴重な歴史遺産を感じてみるのもいかがでしょうか...というよくありそうな旅行記の締めで終わります。いや今回この報告が出来て、本当にブログのお仕事を引き受けて良かったと思いました...なんかインドに行ったみたくなっちゃいましたがではでは
10. Mai 2017 石川輝