結構複雑 ?ドイツ高校生の進学について
どうも。ハロウィーンイベントは特に発生しなかったSaarland留学中の石川です。クリスマスデートイベントに期待です。
さて本題ですが、先日私は、ドイツの大学のぴかぴか新入生は19歳が多いという話をちょこっと挟んだんです。けどこの間友達と話してて、あれちょっと違うのかなという所も見つけたんで、ドイツ大使館ネコさんも書いていたドイツの学校や、ここザールラントの事情もちょっとだけ書いてみたいなと思います。
ドイツでは小学校(4年制)を卒業した後に3種類の中等教育学校(Hauptschule/Realschule/Gymnasium)から自分の進路に応じて学校を選びます(日本の普通科と専門科とかと似ていますね。でもそれよりもきっちり分けられているみたいです)。ただ最近小4で選択ってマジ早すぎる系じゃねという事で、まずは学校に通いながら決めていけば良いんじゃねみたいな感じで、進学にも就職にも対応した4つ目の学校:「総合学校」(Gesamtschule)ができました。ザールラント州で総合学校は沢山採用されていて、友達も通っていました。だからあまり学校分けもそこまで厳しくなくなっているらしいです。
そしてドイツでは近年中等教育の就業年数を9年(通称G9、19歳で卒業)から8年(通称G8、18歳卒業)にして世界と合わせよう、という動きがあります、というかもう全州であるみたいです。でも元に戻そうとかどっちも採用しますとか結構色々あるみたいですね。この間話した人はG9の学校から来たので19歳、いつも話すザールラント出身の子はG8で18歳で入学とバラバラです。ノルトライン=ヴェストファーレン州出身の院生の友人は、彼の1学年下からG8になったと言っていました。
一番びっくりしたのはドイツ北部のシュレースヴィヒ=ホルシュタイン州から来た友人の経験談で、同じ地区にG9の学校とG8の学校が混在していたそうです。ちなみにどちらを選んでも特に問題はないそうです。ドイツの大学進学資格「アビトゥーア(Abitur)」は試験なので、たとえどっちにいようがちゃんと学校に通えてスコアがよければ良いみたいです。日本のセンター試験みたいな感覚でしょうか?
仮に日本で同じことが起きると、就活とかいろいろな点で有利不利が生まれるから、この年齢差をまず無くそうという方面に走るのが普通だと思いますが、ドイツは普通に25歳以上で大学生をしている人も結構いるし、年齢もそこまでこだわりが無いように見えるから(日本より大学院生がものすごい多いです)、あんまり統一させようという大きな動きが出ないのかなとも思います(理由は他にも色々あると思います)。
ちょっとだけいる身なのであんまり大きいことは言えないのですが、ドイツの学校はさっき言った早くに進路が決まる制度、授業や先生と生徒の距離とかを考えると、日本よりも学業は厳しいと個人的に思います。友達はみんなこれを経験したので尊敬します...個人的なことなんですが私は10代前半はずっと家に引きこもっていたので、仮に小5で学校が決まるドイツに生まれたら日本と同じように大学に入るチャンスがなかったし、ましてや応用言語学の大学院で勉強したいという今の目標すら考えられなかったんだろうなあって思います。でもザールラント大学の良い施設(これでも悪い方って言われています)や院に行きたいといっても変な目で見られない環境とか、一度アビトゥーアを取ってしまえば、後は自由に勉強したり日本で働いたり転校、転科もしている友人とかを見ていると私は日本とドイツどっちで生まれたら幸せだったのかなと感じることもあります...
ただ日本の大学にいたころは周囲がほとんど私立校や進学校出身だったりして少し馴染みにくかったこともあったので(私は公立の専門科でした)、意外に日本でもドイツと同じように中等教育に入る時点で進路が分かれることは多いのかなと思います。
T.Yさんは授業を受けていてかなり羨ましいです。私の大学も授業が始まりましたので(私は日本語関係の科目以外参加していないから見学です)、色々写真とかをここにあげていきます。
03. November. 2016 石川輝