産業廃棄物から原料を抽出!ライプツィヒのエコ企業「DESTIMET」
こんにちは、ライターのwasabi( wasabi_nomadik)です。
突然ですが、今週はEU各国で"Climate Diplomacy Days"と称した環境保護キャンペーンが行われているのをご存知ですか?「気候変動と環境保護」をテーマにEU各国の外務省や大使館、領事館などが様々なアクションを行います。
「ドイツといえばエコ」というイメージを持っている方も多いと思いますが、私が暮らしているライプツィヒでも様々なエコな取り組みが見られます。その中でも、まさに環境保護活動を持続可能なビジネスとして運営している会社があるんです。そこで今回はライプツィヒのエコ企業「DESTIMET」の取り組みについて紹介したいと思います!
効率良く原料回収!DESTIMETとは?
DESTIMET Green Servicesは金属・石油産業から出る産業廃棄物(金属スラッジ等)から合金やけい質、石油などの原料を取り出してリサイクルすることを事業内容としています。2009年に、金属・石油業界を持続可能にすることを目的として創立され、現在CEOとしてFilipe Manjolinho Costa氏が就任しています。スタッフは工場で働くメンバーも入れて21名と小規模ですが、小回りが効くからこそ大企業が簡単には実施できない「ムダ削減」に長けているのです。
たとえばDESTIMETの売りは同地域内の他の工場よりも効率的に価値のある金属や石油などの原料を取り出せる技術を持っていること。そして、抽出プロセスで消費されるエネルギー量も他社と比べて低いことが特筆すべき点です。こうしたプロセス自体の効率化を図りながら鉱物資源をリサイクルして新たな採掘の必要性を減らすことに貢献しています。
「効率」を考え抜いた工場の立地
工場はライプツィヒからほど近いザクセン州の街Bitterfeld-Wolfenにあります。Bitterfeld-Wolfenはドイツの中心に位置し、A14とA2というドイツ中を繋ぐ重要なメイン道路が通っている場所です。その好立地のおかげでドイツ中のあらゆる場所から効率的に産業廃棄物を集めることができるため、運送のコスト的にも移動距離や燃料が少なく済むのです。しかもドイツという国自体、ヨーロッパの中心部に位置する国です。そのヨーロッパのまさにど真ん中に位置しているDESTIMETは立地を生かして海外市場にも参入しようと試みているのだとか。
ところで幹部が働くオフィスはどこにあるの?と思う方もいるかもしれませんね。DESTIMETは合理性を追求して自社オフィスを持たず、ライプツィヒ市内にあるコワーキングスペースを借りています。(実は、私も彼らと同じスペースを借りて仕事しているんです・・・!)
地味だけれど重要な取り組み
地球上の鉱物資源には限りがあることはずっと以前から言われています。石油はあと50年持つ、40年持つなどいろいろな見解が飛び交っていますが、無限にあるわけではないことだけは事実です。そうした貴重な資源をこれからも持続可能に利用していくためには、DESTIMETのような事業は社会的に非常に重要な役割を持っています。資源は私たちの生活のあらゆるものの根幹となるもの。今週はちょっとだけ環境保護を意識してみませんか?【DESTIMET Green Services】
WEB: http://www.destimet.com/en/index.html#&panel1-1
【 wasabi のプロフィール】
ドイツ・ライプツィヒを拠点に活動中のフリーランスのライター・翻訳家。ブログ「WSBI」ではフリーランス関連情報、ノマドなライフスタイルを発信中!