【新連載】ライプツィヒが首都ベルリンに次ぐ新たな移住先として注目を集めている理由
こんにちは、ドイツ在住のフリーライターwasabi( wasabi_nomadik)です。
昨年春から1年間、Young Germanyで「ドイツワーキングホリデーでできること@ベルリン」という連載を持たせていただいた私ですが、実は今年7月からライプツィヒへ引っ越し、その移住を機に再びYoung Germanyでライプツィヒの魅力を伝える連載をみなさんにお届けさせていただくことになりました!
ドイツと言えばオクトーバーフェストで有名なミュンヘンや国際的な首都ベルリンにフォーカスが当てられがちですが、私はまだまだ情報の少ないライプツィヒの魅力を発信していけたらと思います!
【基本情報】ライプツィヒとは?
ライプツィヒはベルリンから電車で約1時間ほど離れた旧東ドイツの街です。旧東ドイツの中ではベルリンに次ぐ2番目に大きい都市ですが、ライプツィヒの人口は約57万人で、首都ベルリンの人口が約350万人なことを考えれば街の規模はベルリンに比べてずっとコンパクト。ベルリンのスローさとはまた違ったよりゆったりした静かな時間が流れています。また、街の中心部には「ライプツィヒ大学」が存在し、大学街としても活気を見せています。歴史的にはバッハを始めとする著名な音楽家や哲学者ニーチェが暮らした街としても知られ、西洋文化の発信地として発展してきました。第二次世界大戦による空襲で市街地がほぼ全壊となったドレスデンやベルリンに比べて、ライピツィヒは空襲の被害をそこまで大きく受けなかったため、街の外観はヨーロッパらしい綺麗な街並を保っていることも特徴です。1989年まで運営されていたヨーロッパ最大の紡績工場「Spinnerei (シュピネライ)」は現在アートギャラリーやアトリエとして再利用され、インダストリアルでクールな雰囲気も同時に味わえるのが魅力だと感じます。
なぜ今ライプツィヒが人気なのか?
2014年にニューヨークタイムズが出した「‘New Berlin’ or Not, Leipzig Has New Life」という記事をきっかけに、ベルリンに次ぐクールな街として紹介されたライプツィヒ。それ以来多くのメディアがこぞってライプツィヒをベルリンとの比較の上で取り上げたことから人気に火が付きました。一方比較対象となっているベルリンは近年さらなる注目を浴び、その人気ゆえに住宅探しが困難を極めています。私がライプツィヒへの移住を決めたのは、たまたま旅行で訪れた際にその美しさと可能性に直感めいたものを感じたからなのですが、大きな決め手となったのは家が簡単に見つかったこととドイツ語を学ぶ環境として良さそうだと判断したからです。家賃のコストもベルリンに比べると安く、家も比較的見つけやすいため私のようにベルリンから引っ越して来る人も多いです。多くのアーティストが様々な国からやって来て、街のアートや音楽シーンも盛り上がっています。そうしたカルチャーに興味のある人にとってはかなり魅力的な街でしょう。
一方、地元の人に話を聞くと「ライプツィヒをベルリンと比べて欲しくない!」という人が一定数いるのは確か。たくさんの人が移住してきて家賃が高騰したジェントリフィケーションの影響を受けたベルリンの後を追いたくないという意識やコミュニティを大切にしようとするLeipzigerのスピリットがしばらく住んでみると端々に感じられます。そうした地元の人たちの気持ちを尊重することを忘れず、ライプツィヒがライプツィヒなりの良さを持って発展を遂げていく様子を楽しみにしています。
これからライプツィヒの情報を月1回連載させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします!
【 wasabi のプロフィール】
ドイツ・ライプツィヒを拠点に活動中のフリーランスのライター・翻訳家。ブログ「WSBI」ではフリーランス関連情報、ノマドなライフスタイルを発信中!