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【面白いドイツ語】Nervensäge

今回はドイツでよく使われている面白い言葉をご紹介します。

 

はい、それはNervensägeです。

 

言葉を「直訳」すると、Nervは「神経」、Sägeは「のこぎり」の意味です。・・・なんだか怖いですね。神経をのこぎりで切ってしまうのか!?

 

・・・違います。Nervensägeとは「一緒にいたり、近くにいると、こちらの神経が休まらないような面倒くさい人」のことを指します。

 

例えば職場でやたら声が大きくて独り言なんかもでっかい声で言うため、周りが仕事に集中できない場合、でかい声の人はある意味Nervensägeです。ちなみに日本にはあまりいませんが、ドイツでは職場で自分の機嫌のよさをアピールしたいのか「口笛を吹きながら仕事をする人」なんてのもたまにいたりして、こういう人も見方によってはNervensägeです。

 

仕事で何かと人のアイディアや企画をつぶしにかかる人もそれに該当しますし、ドイツ語でいうNörgler(※1)やBesserwisser(※2)なんかも該当。

 

※1

年がら年中、愚痴や不平不満を言っている人のこと

 

※2

どのテーマについても「自分の方が知っている」とマウンティングをし「知ったかぶり」をする人のこと

 

ただ「どういう行為をする人をNervensägeだと感じるか」は人によって違いますから、あながち「こういう行為をする人はNervensägeである」と言い切ることは難しいかもしれません。

 

私自身は仕事で関係する人が多少Nervensägeであっても、「まあ仕事だし仕方ないか」と割り切れるのですが、プライベートな人間関係だと色々と気になるタチです。

 

例えばどういうことが気になるかというと、「自分から質問しておきながら、私が話し始めると話の腰を折る人」にモヤモヤします。

 

Aさんと待ち合わせをして、Aさんと私の二人で道を歩いているとします。

 

Aさん「サンドラ、久しぶりだね~。弟が日本に帰ってきたんだってね。弟はいつ日本に帰ってきたの?」

 

サンドラ「弟はね・・・・」

 

・・・と、ここでAさんに次のように話を遮られます。

 

Aさん「あー!!!みてみて。あのスカーフ、かわいい~!!」

(↑雑貨屋さんの前でスカーフが売られていた)

 

というような行為を繰り返す人ですね。

 

とりあえず相手に質問をふって、こちらが話し始めた時に、上記のように遮るのが癖のようになっている人ってたまにいます。

 

「遮るんだったら質問しなければいいのに・・・」と思いますし、本当に嫌だな、Nervensägeだな、と思います。

 

皆さんの場合はどうですか?どういう行為をする人をNervensägeだと感じますか?

 

さてさて、最後にドイツ風ジョークを一つ。

 

„Welche Säge hinterlässt keine Späne? Die Nervensäge!“

和訳「削り滓(けずりかす)を残さないSäge(のこぎり)とは、どんなのこぎり?それはNervensäge!」

 

・・・以上、今月はNervensäge(和独辞典の和訳「御邪魔虫、迷惑者」)についてでした!

 

皆さん、また来月お会いしましょう。

 

サンドラ・ヘフェリン

 

著者紹介

サンドラ・ヘフェリン

ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴19年、著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ) 、「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ』(原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: ヒラマツオ/KADOKAWA)、「『小顔』ってニホンではホメ言葉なんだ!?~ドイツ人が驚く日本の「日常」~」(原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: 流水りんこ/KKベストセラーズ)」など計11冊。自身が日独ハーフであることから、≪ハーフはナニジン?≫、≪ハーフとバイリンガル教育≫、≪ハーフと日本のいじめ問題≫など「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。ホームページ 「ハーフを考えよう!」 を運営。趣味は時事トピックについてディベートすること、カラオケ、散歩。

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