お義母さんが日本生活で見つけたもの
ゴミの落ちていない道。
時刻表通りにくる電車やバス。
会釈しながら小走りで横断歩道を渡るひと。
車両に一礼してから去る新幹線の車掌さん。
ドイツで約7年間生活をして、今年の5月に日本へ引っ越したわたしたち。
日本に帰って来てから、日本生活の「当たり前」の小さなことに気付くようになって、嬉しい気持ちになることがたくさんありました。
特に帰国してすぐは、ダイソーやニトリに行くたびにテンションが上がったり、スーパーでは時々カゴをサッカー台までわざわざ運んでくれる店員さんに感動していました。そしてそれがまただんだん「当たり前」になっていく・・・慣れってこわい。
ドイツで生まれ育ったお義母さんの視点で日本を見ると、小さな新しいことや面白い発見がたくさん。
お義母さんは日本に来て少ししてから、一週間に一回、文章に写真を添えたブログのようなものをメールで書いて、ドイツにいる家族や友人に一斉送信して日本での生活を伝えています。
ドイツでずっとコピーライターをしていたお義母さん。その一斉送信の中に私も含まれているのですが、ドイツ語ネイティブではない私が読んでもその文章がきれいなのが伝わって、いつも楽しみにしています。
今回は本人の許可をもらって、今までメールで使った写真の一部を紹介します。
お義母さんの視点から日本を少しのぞいてみてください。
もくじ
町中に溢れている、看板とイラスト
「お菓子でもなんでも、いつも説明とイラストがたくさん描いてあるね」
お義母さんに言われて意識してみると、確かに生活の至る所に丁寧な説明にイラストが添えてあるのに気が付きました。
公園の看板
市役所に一緒に行った時は、興味深そうに発券機の写真を撮っていました。
冷蔵庫を買いに家電量販店を見に行った時、家電一つに対する情報量が多いのが面白かったらしく、こちらもパシャリ。
便利なものたち
音姫は長男にもすごく不思議そうに「ママ、これなに?」聞かれたものの一つ。ドイツでは音姫はもちろん、音をかき消すために水を流している人も見たことがありません。
これを友人に教えるために写真に撮ったお義母さんを想像するとかわいい・・・。
こちらはニトリのハンガーコーナー。
ニトリだけでこんなにもたくさんの種類があるのが驚きだそう。
確かに、こんなのあったらいいなーと思うものは、大概見つかります。
近くの食堂
家から少し歩いたところに食堂があり、時々一緒に行っています。決しておしゃれではないけれど、アットホームで安くて美味しい食堂を気に入った様子のお義母さん。私の注文したざるそばや、自分の生姜焼きの写真を撮り、その食堂についてメールでたくさん説明していました。
しっかり冷えた水と温かいお茶が常に置いてあって、無料で飲めること。
チップは払う必要がないこと。
生姜焼きとは何か。
日本に行ったことのないドイツのお友達に伝えたいことはたくさん。
食に関して言えば、私は日本に来てからドイツではなかなか手に入らなかった野菜を使った夕飯を何度か作ってみました。蓮根・オクラ・山芋・ゴーヤ・ゴボウなど・・・。夫は今書いたもの全て食べられませんでしたが、好奇心旺盛なお義母さんはいつも「美味しい」と食べてくれます。そんな彼女も流石に納豆は無理だそうです。笑
バス
バスで移動するのがすきなお義母さん。一番最近のメールのテーマは、バスについてでした。
バス移動が好きな理由は「外の景色をゆっくり見ながら移動できるから」だそう。
バスの運転手はいつも白い手袋とマスクを着用していること、全員が座るまたはどこかに掴まるまでは発車しないこと、前から乗車することなどについて説明していました。
お母さんの書いた文章を引用します。
Busse neigen sich.
Ich staune immer wieder über die japanische Art Fahrgäste barrierefrei ein- und aussteigen zu lassen. Hier werden nicht die Bordsteine erhöht, hier neigt sich der komplette Bus kurzerhand zum Bordstein. Und überbrückt so die rund 10 bis 15 cm zu ihm. Das tut er so sanft, dass ich einige Zeit gebraucht habe, bis ich es überhaupt gemerkt habe.
(日本の乗客がバリアフリーで乗り降りできる仕組みには、いつも驚かされます。こちらでは縁石が高くなっているのではなく、バス全体が少し縁石に向かって傾き、その10〜15センチほどの段差を解消します。その動きが非常に滑らかで、私はしばらくの間それに気づきませんでした。)
今友人たちに送っているメールを、いつかニュースレターという形で日本での生活を発信するかもしれないと話してくれました。興味のある人はたくさんいるはず。お義母さんがこれからどんな日本を見つけるのか私も楽しみです。