【今週のドイツ語】um den heißen Brei herumreden
um den heißen Brei herumreden
um 「〜の周り」、heiß は「熱い」、Brei は「お粥(のようなどろっとした食べもの)」、herumreden 「(〜の周りを)話す」という意味で、直訳すると「熱いお粥の周りをぐるっと巡って話す」となります。
この表現は16世紀まで遡ることができます。当時ルターも”Wie eine Katze um den heißen Brei schleichen.“ (まるで猫のように熱いおかゆの周りをこそこそ歩く)という表現を使っていたと言われており、熱い食べ物が苦手な猫が(猫舌!)、おかゆの周りをこそこそ回りながら様子を見て、一番熱くなさそうな場所を探している姿を表していました。火傷をしないように用心深く、周りを歩きまわったのですね。ちなみにこの表現はゲーテやシラーの作品にも登場するのだそうです。
そこから19世紀頃には、火傷をしないように周りを歩くところから変化し、問題にならないように(炎上しないように)、「核心を避けて話す、繊細なテーマに触れない、遠回しに話す、回りくどく話す」という意味で使われるようになりました。
その場合動詞も「こそこそ歩く」という schleichen ではなく reden 「話す」が使われるようになりました。
【今週のドイツ語】
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